リセールバリューから考える分譲マンション管理について

昨日(2018.5.13)、雨の中、買出しのため外出したところ、分譲マンションのオープンハウスを見かけました。

築年浅いマンションのリセールだったので、少し気になりました。

そこで、今日は分譲マンションのリセールについてマンション管理面から記事を書いてみたいと思います。

 

立地や設備は変えられない

いうまでもないことかもしれませんが、一度買ってしまえば、マンション自体の施設を転用するなどといったことを多少はできますが、立地は動かせませんし、附帯設備もまず変えることはできません。

リセールバリューという意味において、モノとしての不動産の価値を向上させることは、ほとんどできないということです。

新築販売時には魅力的にみえたラウンジやパーティールームなどの共用施設も、時が経てば使用頻度が下がるのが一般的な傾向です。

集会室などサークル活動スペースとして使用できる場所に関しては、活用できる余地があるのですが、シアタールームやプール、温泉など使用用途が特定されているスペースは、その活用や維持管理費が重たくなりがちな上に、他用途への転用が難しい場合もあり、そのスペースや施設を持て余すマンションは少なくありません。

 

ハード面では難しくてもソフト面で改善する

立地や設備が変えられないのであれば、リセールバリューを高めるためには運用面でカバーするという方向性が基本戦略になります。

しかし、それもそれほど革新的な手法があるわけではありません。

基本は地道な管理組合運営の適正化が主体となります。

大型タワーマンションの理事長さんたちが集まって活動しているRJC48の活動をみても、その活動の基本は地道なマンション管理に関する情報交換とマンション内での繋がりを深めるコミュニティ活動のように思われます。

 

改善してもアピールしないと伝わらない

管理費や修繕積立金には物件ごとに幅があります。

管理運営を適正化することにより、管理費や修繕積立金を上手に活用できていたとしても、単純な金額、数値比較などでその効率性などをアピールすることはできません。

情報発信がなければ、法定のもの以外はわざわざ取り寄せないと情報が入手できず、分譲マンションの管理組合は、外部からみればとても閉鎖的な組織です。

このような状況を改善する施策として、先ほどのRJC48代表 應田治彦さんのマンション管理組合では、公式ホームページなど管理組合情報を積極的に発信されています。

(「イニシア千住曙町」公式サイト)

ここまで一般の管理組合でやるかどうかはともかく、これが有効な手段であることは否定できません。

なぜなら、中古不動産の売買をされた方ならお分かりだと思いますが、欲しいと思った物件を買おうと思っても公的な情報が少なすぎるのです。

法定の重要事項説明などはありますが、何年も塩漬けになってしまっているような物件は別にして、良い案件ほどあっという間に売れてしまいます。

そのため、ゆっくり物件を吟味している暇がないというケースが少なくありません。

しかし、事例として挙げたイニシア千住曙町のように、事前に情報を発信していれば、どのような管理組合であるのかは事前にわかります。

仮に不動産価値が高かったとしても、管理組合活動がうまく行っていないマンションを買いたいという人はあまりいないのではないでしょうか?

管理組合運営がうまく行っていると思われるマンションであれば、むしろ、物件情報が出る前から空き住戸があれば買いたいという希望者が出てくる可能性もありえます。

 

まとめ

マンション管理組合にとっても、上場企業におけるIR活動のように、既存株主だけではなく投資家への広報活動は重要です。

区分所有者が入れ替わる際、新たに区分所有者となってくれる方は、基本的に外部の方だからです。

他にもよく参加させていただいているマンションコミュニティ研究会の勉強会では、地元の不動産業者に対して団地管理組合の良さを伝えるためのPR活動を行なっているという事例報告もありました。

管理組合はマンションの区分所有者同士の繋がりが基本であることから、外部に向けた発信というところまではなかなか目がいきません。

しかし、管理組合活動の目的は、マンション標準管理規約を引用すれば、「区分所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を 確保すること」です。

この目的を達成するために管理組合活動があります。

新築時には、分所有者同士の相互関係だけでも、特に問題にはなりません。

ただ、経年するにつれ、区分所有者の健全な入れ替わりが問題となってきます。

その際、必要な情報に関してオープンな管理組合とクローズドな管理組合では、どちらがより有利であるかは比べるべくもないと考えています。