マンション管理の見直し入門編

お住いのマンションの管理に疑問を持たれたとき、どのようなことが見直しの障害になるのでしょうか?

そもそも、疑問を持たない、持てない、そんな暇がないというお話もあるでしょう。

ただ、疑念を持っても、具体的にどうすれば良いかわからないという方を対象に、今回は管理見直し入門編として記事を書きたいと思います。

これは、我々マンション管理士などプロを有償で依頼することとなる前段階を想定しています。

 

そもそもどのような切り口から疑問を持つのか?

管理組合サイドが管理会社に疑念をいただくようになるタイミングについては、以前にも記事にしました。

このうち、管理見直しの契機に最もなりやすいのは、管理組合財政に不信感を抱かれやすい、修繕積立金の初回改定時と、管理費会計が赤字になった時の2つのタイミングです。

この他アフターサービスに関わる問題などでは、管理会社の問題ではなく、デベロッパーや建設会社に対する疑念だけで終わるケースも少なくないことから、管理会社に対する不信までには発展せず、管理見直しの契機とまでなることは少ないでしょう。

むしろ、そこまで進んでしまうのであれば、相当問題が根深いケースでしょう。

したがって、管理組合財政に対する懸念が、最も管理見直しに繋がりやすいといえます。

 

見直しには管理業務全般にわたる知見が必要

誠に残念ながら、この財政に対する懸念からだけで、具体的な管理見直しを行うことは大変難しいです。

検討された方にはあえていうまでもないことですが、単純に価格の比較だけではなく、適正な業務に関する知識に加えて、管理組合全体をまとめていけるだけのファシリテート能力も必要だからです。

では、すべてを備えていないからといって諦めるしかないのでしょうか?

 

管理委託契約書を入手し、内容を確認しましょう

単純な答えは、我々専門家に依頼することですが、マンション管理士の全てがこの知見を持っているわけでもありませんし、そもそも今回の記事はそこに至る前段階の入門編です。

まずは、その前段階として、現在の管理内容がどの程度のしっかりと履行されているのかを確認しましょう。

そのために必要なのは、管理会社との間で締結される「管理委託契約書」です。

これを入手する必要があります。

 

契約書の入手方法

一般に、管理を全部委託しているマンションでは、マンション管理適正化法第73条「契約成立時の書面の交付」の要件を満たすために、管理委託契約書をコピーして配布していることから、入手は容易なはずです。

しかし、この73条書面に関して、法律の要件を満たすだけの書面が配布されている場合には、契約書本体は全戸配布されていませんので、理事会を通じて改めて契約書を入手する必要があります。

また、一部大手の管理会社等では、契約書自体には仕様の詳細を明記せず、別に管理会社で定める約款や業務処理要領に従うなどとして、契約書だけでは仕様の詳細を把握できないケースもあります。

念のため、補足しますが、管理会社は、悪意があって隠しているといいたいわけではありません。

これは、詳細な業務処理要領の全てを契約書に記載すると、驚くほど分厚い契約書になってしまうからです。

そのため、別紙に定める方法を採っているに過ぎません。

ただ、この結果、業務の詳細を簡単には知ることができなくなります。

また反面、仕様をきっちりと書いていない簡単な契約書しかなければ、その業務内容はあいまいになります。

いずれの場合にせよ、契約内容をしっかりと把握することが、管理会社との関係性を改善する上で、必要な第一歩といえます。

 

契約書に書かれている内容がよくわからなければ、まずは無料相談で専門家に相談しましょう

この段階では、有償契約による専門的なコンサルティングまでは不要です。

マンション管理士会がない都道府県や自治体もありますが、マンションが多いエリアのほとんどにマンション管理士会はあるはずです。

私の所属している神奈川県マンション管理会では、各支部で行政団体等に無料相談員(市の無料相談員など)を派遣しています。

時間も限定されていますが、この時点で契約書からの疑問点が明確になっていれば、具体的に相談できるはずです。

別に無料相談でなくても構いませんが、この時点では疑念でしかありませんので、管理組合で費用を支出できる段階でもないはずです。

 

次に契約書通りに業務が履行されているかを見極めましょう

無料相談などで、契約内容を確認できれば、次は実際に実施されているかどうかの確認です。

契約書や仕様書、業務処理要領などにしっかりと書いてあっても、その通りに実施されていなければ、明らかな契約義務違反です。

ここで、管理会社の怠慢が確認できるようであれば、理事会を通じて、管理組合として、その是正を申し入れましょう。

この手続きを持ってしても、なかなか改善しないようであれば、次こそプロへの有償依頼を検討すべき段階です。

 

まとめ

管理見直しを進められたい場合には、このような流れで進められてはいかがでしょうか?

ただ、マンション管理士会の無料相談程度では、管理委託費の価格査定まではできません。

その場合は、マンションの規模や業務の内容に応じた費用が必要となります。