自主管理の分譲マンション管理組合について

昨日(2018.5.7)に引き続いてですが、マンション管理新聞(2018年4月5日、第1068号)に気になる記事がありました。

宮崎県宮崎市が3月29日に公表した「分譲マンションに関する意識調査」によると、一般的といわれる管理会社に管理を全面的に委託する「全部委託」の分譲マンション管理組合は46%(市内全238管理組合のうち、63管理組合が回答。回収率33.3%)しかなく、さらに管理会社に管理じむを全く委託していない自主管理の分譲マンションが25.4%もあり、しかも戸数20戸以下ではその8割が自主管理とのことでした(宮崎市「宮崎市住宅マスタープラン(アンケート調査)」43頁以降、平成30年3月)

 

地方・高経年ほど自主管理の割合が高いとは聴いていましたが

国土交通省が平成25年度に実施したマンション総合調査結果によれば、管理事務の全てを管理組合が行なっている管理組合は全体で6.3%です。

ただ、この調査も無作為抽出によるものとはいえ、元から「自主管理型」として、もともと(公財)マンション管理センターに登録しているマンション管理組合を10%分対象として実施されたものであることから、自主管理のマンションの割合が10%を超えることはありません。

そのため、これだけで全国の自主管理の分譲マンション管理組合を推計することは早計です。

他方で、以前に全国のマンション管理組合数を推定した際、建築物としてのマンションストックの数(平成27年度末で623.3万戸)と、管理会社の業界団体であるマンション管理業協会が公表した管理戸数(平成27年度末、21,85社中の372社回答、リゾートマンションなども含み5,647,281戸)の差が約10%程度でしたので、あながち外れた数値は考えていませんでした。

しかし、今回具体的な数値として宮崎市の調査結果をみて、地方・高経年ほど自主管理の割合が高いと聴いていた話が事実であることが改めて把握できたと感じています。

 

アンケート結果で面白いのは「管理会社の変更理由」

宮崎市での調査結果からするとアンケート回答した63管理組合のうち、16管理組合が自主管理です。

この数値を見てもわかる通り、有効回答の数が小さすぎて、このアンケート結果をただちに一般化にするには無理があると考えます。

ただ、この63管理組合のうち、管理会社を変更したがことがある、または変更する予定があるとした管理組合は20と約3割もあり、変更理由として次のような理由が挙げられています。

・管理業務の実施が不十分

・委託金額が高い

・登録義務違反があったため

・会計処理のミスがあったため

・会社側から解約された(経営方針の転換のため)

・管理業務から撤退したため

 

管理実務においては、まさにこのような理由から管理会社は変更する・されるのですが、管理会社変更理由が公的なアンケートで集計されるのは見たことがことがなかったため、とても面白いと感じます。

 

管理運営上の最大問題点は、「居住者の高齢化」と「建物・設備の老朽化」

これは全国の管理組合と同じ悩みですね。

この問題を深刻にしている原因は、この二つの問題が同時進行することです。

最大の悩みが同時にやってくるわけですから、対処が難しいのは当然です。

予算が潤沢にあれば、信頼できる専門家をなんとか探し、雇うことは不可能ではありません。

しかし、高齢化したマンションでは、実施するべき修繕予算に事欠く状況ですから、専門家への報酬を捻出することも難しくなります。

加えて、依頼する専門家もできれば時間をかけて信頼関係を構築するべきです。

突然信頼できる専門家が現れるわけではありません。

この他、調査結果報告・マンション管理新聞双方において、注目すべきポイントして、無関心層が前回(平成18年)調査に比べ、無関心層が大幅減(41.1%→20.6%)していることがクローズアップされていました。

これは、高齢化が進展し、問題が深刻化したことが、無関心層を大幅に減らしたのではないかと考えています。

 

まとめ

管理会社勤務時代から、地方の自主管理割合が高いことは聴いていました。

高経年マンションの自主管理の高さは、国土交通省の調査と管理会社勤務時代の経験からわかっていたつもりですが、地方における自主管理率の高さがここまでとは考えていませんでした。

特に注目すべき点として考えているのは、管理会社変更理由の「会社側から解約された(経営方針の転換のため)」と「管理業務から撤退したため」という項目です。

管理会社も営利企業ですから、採算の取れないマンションからの撤退は普通にありえます。

私自身もマンション管理士としての業務を事業として行なっていますので、採算が取れない仕事はお引き受けしかねます。

一方で、こういった自主管理の管理組合にこそ支援が必要とも考えますので、どのような支援が可能かを研究していきたいと考えています。