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湘南藤沢の開業税理士・マンション管理士・社会人大学生のブログです

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マンション管理

分譲マンションの「取引上の価値」について

一昨日、昨日に続き、今日は概要で3つ挙げた分譲マンションの価値のうち、「取引上の価値」について書きます。

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「取引上の価値」については、不動産鑑定評価に用いられる、次の3つの方法からその価値を説明したいと思います。

一つ目は「建設コストから見た価値」。

二つ目には「住むコスト見た価値」。

最後に「過去の取引事例から見た価値」です。

 

建設コストから見た価値(原価法)

これは、「もう一度、その建物を建て直すとする幾らかかるか?(原価)」を算定し、それに築年数による劣化を補正して、現在の価値を割り出す方法です。

土地の評価はできませんが、建物のモノとしての値段を評価することができます。

もちろん、「取引上の価値」の価値としては一側面でしかありませんが、一つの目安にできます。

 

住むコストから見た価値(収益還元法)

「計算方法の名前は貸したら幾らになるのか?」というアプローチなのですが、基本は住むために買う分譲マンションの場合は、「住むコスト」という方が実情に合っていると思います。

この方法は、投資不動産によく用いられます。

実際、「いくら儲かるのか?」という観点から見た価値を計算していますので、経済的なアプローチから見た価値としては、計算の精度を別とすれば、もっとも経済的な価値を表していると言え、昨日解説した「資産上の価値」のうち「貸すことによって収入を得ることができる経済的価値」と同じものです。

 

過去の取引事例から見た価値(取引事例比較法)

先に挙げた2つの方法はあくまで計算によって求めた価値ですが、実際のところ、モノには相場があります。

過去に「欲しい!」と思って高値で買われている人気の不動産であれば、上記2方法で求めた価値よりも高い値段で取引されることは十分にあります。

結局、上記の2方法を目安にしつつ、この過去の取引事例に引っ張られて価格が決まるという流れではないでしょうか?

 

その他の要素として、日本人は「新品」至上主義的なところがあり、開発会社の利益が一番大きく乗っている新築物件の価格が目安になりがちです。

また、人気のエリアは当然高くなり、首都圏に来てからは「住所プレミア」がある気がしてなりません。

そのため、不動産の価値は「新築」「人気のエリア」に偏り、逆に「築古」「郊外」の物件は、一般的な方向としては値段がつかない状態になりつつあります。

 

市場は相当歪んでいる

このような評価方法はあるものの、分譲マンションは「不動産」の一つだけあって、市場があり、目安もそれなりに明確な「有価証券」などに比べると、相場があってないような部分があり、その時の状況(できるだけ早く売りたい・買いたい)により、大きく変動する側面があります。

また、建設業やマンション管理業と類似の不公正競争として、両手取引を狙った「囲い込み」、仲介業者の操作があると言われています。

 

実際、営利企業である仲介業者は売買することだけに特化しすぎていると感じています。

さらに言えば、不動産に関してはプロだとしても、一部の方を除き、建築や設備などについては疎い方が多い気がしています。

 

このブログ更新のために受講した井ノ上陽一先生のブログセミナーを通じて知った「駿河屋」さんは、このミスマッチを解消するため、サイドビジネスとしてではなく、本業の一部として建設業者の立場から不動産購入段階からのコンサルティングの必要性を感じられ、宅建業登録して仲介業にまで乗り出されています。

 

中古不動産の流通を活発化させるとは言っているけれど

このような「新築至上主義」である上に、不動産業界の不透明性もあり、中古不動産の流通には障害がかなりあります。

国土交通省は、中古不動産の流通を活発化させることを目的として検討を行っており、一昨年には提言もまとめています。

この提言から一歩進んで、昨年には、不動産に関連して様々な動きがありました。

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まとめ

以前の記事の通り、まだまだ不透明な部分はありますが、もう少子高齢化の流れは変えられず、「どうやってしのぐのか?」というところに焦点が集まってきていると感じています。

その流れの中で、不動産も無縁でいられるはずがありません。

過去のマンション管理業界での「資産価値を守る」発言は、ただのセールストークだったと思っています。

しかし、今後は現実に対処すべき問題の一つとなってきているのではないでしょうか?