マンション管理新聞の管理費等初期設定調査(2016年下期)について

以前に、既存・流通分譲マンションの管理費・修繕積立金の調査結果が公表されていることを記事にしていますが、定期購読しているマンション管理新聞(2017年1月5号)では、半年に一度、新築分譲時のマンション管理費・修繕積立金等の調査も行われ、公表されています。

マンション販売価格は昨年中にピークを迎え、少し低下傾向が見られたようですが、マンション管理費等の初期設定に関しては、半期に一度という調査頻度もあり、全国平均の最高値が更新されました。

以前の記事にも書いた通り、平均値だけを見て比較しても、あまり意味はありません。

その違いを生み出している理由が重要なため、この平均値の活用には専門家のアドバイスが必要です。

しかし、業界全体のトレンドを追いかける場合には、平均値からでも読み取ることができるものもあります。

 

修繕積立金の初期設定額が上がるのは望ましいのですが

修繕積立金は、将来マンションを維持していくために必要な支出の原資となることから、現状多くのマンションの不足していると考えられるこの修繕積立金の初期設定額が高くなることは、基本望ましいことだと考えています。

しかし、以前にも記事にした通り、修繕積立金は、本来必要となる支出から考えると、この初期設定額では大幅に不足しています。

また、昨今は超高層マンションの乱立や機械式駐車場の普及により、維持コストのかかるマンションが増加しています。

したがって、今回、月額の㎡単価が平均値で1円上昇した程度では、新築時から積立できる金額が上がったか、必要となるランニングコストが上昇した分が反映されたものかを判断することはできません。

もちろん、上がらないよりは、積立られている方がいいには違いありません。

 

全国平均で見る管理費は横ばいですが

各区分所有者から見れば、純粋なランニングコストといえる管理費に関しては、全国平均では月額の㎡単価は181円と横ばいでした。

ただし、管理組合の管理費収入には、駐車場使用料なども含まれます。

この管理費収入のうち、実際に管理組合が管理会社に支払う管理委託費が横ばいとなったかどうかは、この調査の対象とはなってはおらず、残念ながらこの調査からだけでは分析することができません。

 

管理形態や施設等

逆にこの調査ではっきりとわかるのは、管理員の勤務形態や、駐車場などの附属施設が調査の対象となっており、新築マンションにどのような共用施設が普及しているのかなどがわかります。

ただ、ここでも少し残念なのは、ディスポーザー設備が専有部向けの施設として、調査の対象となっていないことです。

ディスポーザー設備は、浄化槽が必要となることから、維持コストが少なからずかかり、かなり管理費を押し上げる要因の一つです。

この普及度が合わせてわかるとディスポーザー設備が、管理費に与えている影響を読み取りやすくなるのですが、残念ながら、この調査の対象となっておらず、この部分の分析はできません。

また、施設のみが調査対象で、サービスがその対象となっていません。

したがって、コンシェルジェサービスなどが管理費与えている影響も分析できないのは残念です。

 

まとめ

結局、わからないことメインに書いてしまいましたが、実際は管理実務などでもよく平均値を尋ねられるため、この調査報告はとてもありがたいものです。

なぜなら、マンションに関しては、公的な調査がほとんどなく、正確にわかることの方が少ないのです。

そして、この調査では全国平均だけではなく、東京23区、市部、神奈川・千葉・埼玉など、エリア別の平均値データを掲載してくれており、地域傾向などを踏まえた分析も行える資料となっています。