法定ではない書類でも重要なものはある

先日(2017.5.23)、管理組合で保管する書類のうち、理事会議事録の重要性について記事を書きました。

そもそも法定の書類ですらそろっていないことが多いのですが、とりあえず法定の書類がそろえば、まずは大きな問題はなくなります。

では、法定の書類だけそろっていれば良いのかといえばそうではなく、管理上、備えておけば役立つ書類はいろいろあります。

保管しておくための倉庫やキャビネットのスペースには限りがありますので、ただ残せば良いわけではありませんが、経験上、管理組合で備えておいた方が良い、次のような資料があります。

 

各種台帳

台帳と一口にいってしまうと範囲が広くなりすぎますが、まずは管理組合で備えている書類や備品、鍵の台帳(データベース)を作成しておくことをお勧めします。

日勤の管理事務所や防災センターがあるような大規模物件は別として、これらがしっかりと整備されている中小規模マンションは多くはありません。

なお、台帳に網羅すべき事項としては、書類であれば、名称、数量、保管場所などが記されていれば、おおむね事足ります。

当然、生きた台帳にしなければなりませんので、作成した上で、しっかりと更新されていくことが重要です。

そのため、運用や引き継ぎまでを一体としてルール化するところまで備えれば完璧です。

そして、もう一つ重要なのは押印簿です。

言うまでもなく、理事長印は管理組合を代表する印であり、その運用に慎重さが求められるものです。

押印簿には、日付、押印者やどのような事実(「第◯期◯回理事会◯号議案決議」等)に基づく押印であるのかなどを残し、その押印の証拠を残します。

また、管理組合によっては、押印した書類すべてに割印をすることをルール化しているケースもあります。

簡易な掲示物への承認などの場合は、管理組合の日付印(データ印)を作成し、管理事務所で運用するなど、様々な活用方法があります。

 

管理日報(巡回記録などを含む)

大規模物件はともかく、あまり活用されていないのが管理員や清掃員が記録している日報です。

管理事務としての巡回記録やトラブルの発生状況など、しっかりとした記録があれば、その記録は一定の証拠能力を持ちますし、逆に記録がなければ、管理会社の業務不履行なども追跡できます。

そのため、管理会社の記録としての書類ではなく、管理組合の記録書類として整備することを管理委託契約書に明記しておくことが望ましいと考えています。

 

組合員名簿以外の名簿情報

管理組合が整備すべき法定の名簿は、組合員名簿です。

これは株式会社であれば、株主名簿に相当します。

したがって、この名簿には区分所有者(共有名義人情報や代表者の届け出を含む)のみが対象です。

ところが、管理運営上、この他にも様々な情報を管理組合は保有しているケースがあります。

例えば、区分所有者以外の居住者(同居人や賃借人など)名簿、災害対策としての要支援者名簿、自治会・町内会名簿などです。

これらには、緊急連絡先や年齢、家族構成、勤務先などに加え、心身機能の障害など「要配慮情報」が含まれる場合があります。

今まで管理組合は個人情報保護法の対象外であったことから、これらの情報を一元管理しているケースがほとんどでした。

ただ、これらを組合員名簿として一元管理保有していると、情報開示の際、一緒に開示されてしまう恐れがあります。

さらに個人情報保護法の施行に伴い、管理運営上、必要だったとしても、これらには一定の配慮が必要となります。

そして、以前にも記事にした通り、今後はこの辺りのルールを整備し、組合員の同意を得た上で、運用する必要があります。

 

まとめ

思いつくままにいろいろ法定外の重要書類について書き出してみました。

大規模なマンションでは、すでに整備済みだとは思いますが、中小規模のマンションではまだまだ行き届いているとはいえない事項のはずです。

マンション管理士ではなくとも、法務や総務にご勤務されている方でも、ある程度おわかりいただける内容だと思いますので、経験者などの知恵を借りながら整備を進められることをおすすめします。