マンションコミュニティ研究会のミニ勉強会に行ってきました

昨日(2016.9.7)は、マンションコミュニティ研究会で初めて開催されたミニ勉強会に行ってきました。

会場は、いつもの月島区民館ではなく、東京の中央区女性センターブーケ21です。

ミニ勉強会と名付けられていても、ちっともミニではなく、申込みは40名を超えており、会場を見渡したところ、確かに40名ぐらいが出席していました。

廣田先生いわく、この勉強会の切り分けは、マンションコミュニティ研究会が年度予算をとって計画しているものではなく、少人数であっても勉強会を開催したいと思える課題をテーマとして開催するものをミニ勉強会としているとのことでした。

今回、これだけの出席があったのは、代表の廣田先生の知名度による部分もあるかとは思いますが、テーマが旬の話題の一つである熊本地震であったことも大きかったように思われます。

 

熊本地震

私も被災情報その他、熊本地震に関する記事を書いています。

これは、マンション管理に限らず、経営においても、防災・減災は非常に重要なテーマだと考えているからです。

特に、大きな震災は、分譲マンションがもともと持っている問題(居住者間コミュニケーションの不足・組織運営能力の不足・資金不足など)を顕在化させます。

そして、これは企業経営においても同じです。

大学院で受講したリスクマネジメントの講義は、地震に限定したものではありませんが、企業経営におけるあらゆる危機にどのように備え、あるいは、受容するのかということを論点としていました。

このような情報に関しては、できれば現地に赴いて、一次情報を入手するべきだとも考えているのですが、税理士登録を目指す現状、なかなかそこまですることができません。

そこで、二次情報ながらも、報告書や統計資料ではなく、現地レポートを聴きたいと考え、今回の勉強に出席しました。

 

被災の報告

発表者は、NPO全国マンション管理組合連合会の事務局長であり、NPO日本住宅管理組合協議会の会長でもある川上湛永さんです。

川上さんからは、熊本県マンション管理組合連合会を主体として、その他の団体とも協力しつつ、熊本地震の相談会を開催し、現地視察したレポートをご発表いただきました。

 

熊本県のマンションについて

公的な分譲マンションに対する統計資料はありません。

そのため、全体像を把握することが難しくなるケースが多いのですが、今回は熊本県マンション管理組合連合会が独自に調査した数字として、熊本県には分譲マンションが、850件(棟)あるとのことでした。

比較対象として、分譲マンションの管理会社業者の団体である(一社)マンション管理業協会の会員調査では、572棟です。

協会調査の数字には、自主管理のマンションや協会の会員ではない管理会社が管理するマンションは含まれていませんので、地震被害に対する相談会開催の際、自主管理のマンションがおよそ2割あったとの発表と併せて考えると、かなり精度の高い数字だと思われます。

 

発表の中で特に気になったこと

阪神淡路大震災の時から変わらず、大きな課題となったのが、トイレ問題だったそうです。

まず、FRP製の受水槽・高架水槽が破損し、使えなくなったことから、水が出なくなりました。

そして、水が使えたとしても排水管を使えるかどうかが確認できません。

当然、住戸のトイレは使えなくなり、個々の事情に応じて対応したようです。

 

次に、東日本大震災と同様に、耐震ドア地震により玄関扉が開かなくなるケースが多発していたようです。

対策として、マンションにバールを備える管理組合も増えているようですが、平時にはドアを壊すわけにはいきませんので、使用訓練ができません。

どうやら備えたバールは、あまり生かされることなく、こういう作業が得意な方や普段から工事現場関係の仕事をしている方が、あちこちのドアを開けて回っているような状況だったそうです。

 

最後に、今回の震災では、2006年の法改正で義務化された耐震スリットがあるマンションが被災しています。

耐震スリットがあるマンションは、柱や梁などの地震に耐えるための主要構造部分と、壁とがスリットにより切り離されています。

その結果、壁やサッシなどは派手に壊れるものの柱や梁への被害を軽減させることができるとされています。

理論上はそういうことなのですが、法改正後、耐震スリットを備えたマンションが大きく被災することがありませんでした。

今回のレポートで拝見した写真では、確かに耐震スリットがあることにより、ないマンションよりは派手にマンションが損壊しているように見えました。

ただ、それがどの程度の効果を発揮しているのかまでは、写真からだけではわかりません。

この件については、専門家の分析を待ちたいと思います。

 

まとめ

今回の発表で、川上さんは地震保険の付保を勧めていました。

また、ご自身の居住されるマンションにおいては、まだ未加入であることから、管理組合で地震保険を掛けたいともおっしゃっておられました。

被災した際、地震保険が適用される場合と、されない場合では、その復旧資金に関して大きな差がでるからです。

さらにいえば、被災認定の度合いによって大きく変わるのですが、この地震保険にまつわる問題に関しては、別の記事として書きたいと思います。