分譲マンション管理組合における管理見直しの必要性

昨日(2017.3.22)は、財務会計視点からみたマンション管理組合会計について記事にしました。

マンション管理組合の目的は、究極的には、マンション標準管理規約の第一条、「目的」にもある通り、管理組合運営の目的と規約の制定目的を一致させ、「区分所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保すること」にあるはずです。

解釈の余地はいろいろあるとは思いますが、金銭的な収益を獲得することが目的ではない以上、会計面から考えれば、集めたお金をうまく活用して経済的に運営することが、その目的に適った管理組合運営の方向性の一つといえます。

 

築年が浅いマンションで赤字になることはまれです

結局のところ、入ってくる以上の支出をしないことに尽きます。

しかし、分譲当初から赤字となってしまうような異常事態はさておき、デベロッパーはすぐに赤字になるような管理費や修繕積立金を設定してはいません。

必要額から逆算して設定しているのですから当然です。

したがって、支出が収入を上回るような事態に陥るのは、竣工してからかなりの年数が経過した後になります。

そのため、管理費や修繕積立金を見直そうなどという機運は、よほど事情を知っている人でもない限り、早々起こりません。

分譲当初から管理見直しの機運が高まるのは、おおむねアフターサービス対応などに納得がいかない区分所有者とデベロッパー間でのトラブルが端緒となるケースが多いと感じています。

この際に、管理委託契約などの不合理さ、不透明さなどに気づく方が多いように思います。

 

一方的に価格が下がればいいわけではありません

前段のように考えていますが、単純に管理会社の委託費を目の敵のようにして、値下げさせるべきとは考えていません。

しかし、入札を行えば、簡単に2割以上削減できてしまうような価格で契約しているという事実認識は必要だと考えています。

ただ、このように値下げさせることが一概に良いとは思っていません。

ダンピングをしているケースがあるからです。

一度契約を受託した後、依存度が高まった段階で、数年かけて値上げを持ちかけてくるケースなどがあります。

また分譲会社の関連管理会社には、そのつながりによる弱みもあれば、強みもあります。

基本は現状の管理会社に頑張ってもらい、その委託費の額を適正額にしてもらうことが大前提だと考えています。

これは、単純に価格だけで判断しては、金銭以外の部分で管理組合が持つ運営リスクを顕在化させる恐れがあると考えるからです。

そのため、見直しのポイントは、委託している内容と価格が釣り合っているかどうかにあります。

 

管理見直しで生み出した余裕を将来の修繕費などに充てる

管理組合運営のポイントの一つは、長期的な運営視点を持ち、そのランニングコストを所有者が許容できる範囲に平準化することです。

それが不可能なのであれば、マンションとして終活(建替や敷地処分)を検討することです。

これらに対する適切な対応を行うためには、マンション管理全般に関する知見が必要となります。

けして、単純なコストダウンを行うことが目的ではありません。

さらにいえば、私はこれらのノウハウを管理組合に習得してもらうことが重要だと考えています。

管理見直しを行った上に、永続的に専門家にコンサルティングフィーを払っていては、営利企業ではない管理組合には大きすぎる負担になりえるからです。

 

まとめ

管理見直しは管理組合の財務を健全化するためのものです。

管理会社が管理組合から知識差を利用して一方的に搾取するような営業行為を行うことも問題ですが、反面、管理組合が管理会社や工事会社を叩き倒すような発注を行うことも同じように問題です。

このバランスを取り、ウィンウィンとまではいわなくとも、継続的な取引関係を続けられる関係性を構築することが、管理組合の目的にも適うと考えています。