有価証券にかかる消費税の取引分類について

一昨年(2015.12.2)、消費税受験の体験から、消費税法受験生向けに有価証券に係る消費税の取引区分について記事しました。

しかし、この記事、結果としては消費税法受験生よりは、どうやら経理実務担当者や税理士事務所職員に検索されるように思われます。

なぜなら、3月決算法人の申告が増えるこの時期や、配当がなどが行われる4半期(3月、6月、9月、12月)に合わせて、PVが増えるからです。

 

取引内容によって、消費税区分が変わることに注意

以前にも記事にした通り、証券に関わる取引内容は、売買、売買手数料、利子、配当、分配金など多岐にわたります。

証券にかかわる取引は、その取引内容によって消費税の課税区分が変わることから、ややこしく、かつ、その判定のための情報が伝票や帳簿の情報(日付、相手先、取引銘柄などの摘要)からだけでは、判断ができないところに問題があります。

そのため、取引後に判定を行う場合、ネット検索に頼らざるをえない面があります。

 

必要な情報

判断に迷う消費税区分は、次の3点です。

不課税取引について

不課税取引に該当するの主な取引は、「配当」と「投資信託の元本払戻金(特別分配金)」の2つです。

株式からの配当金は全て不課税取引ですが、投資信託には、国内取引であれば非課税取引に該当する「普通分配金」と、不課税取引に該当する「元本払戻金(特別分配金)」の2種類の分配があるため、分配金の内容を確認する必要があります。

 

非課税取引について

非課税取引は、有価証券に関しては、主として次の取引が該当します。

有価証券等の譲渡(国債等の譲渡の場合、非課税売上高として課税売上割合の分母に算入する金額は、5%相当額であることに注意が必要)

・国債、地方債、社債、新株予約権付社債、投資法人債券

・信託報酬

集団投資信託(合同運用信託、証券投資信託等)等の収益分配金前段の普通分配金のみが該当し、特別分配金は不課税のため含まれません

・抵当証券の利息

割引債(利付債を含む)の償還差益(償還差損、買現先取引の売戻差損の額は、課税売上割合の分母から控除することに注意が必要)

・有価証券(ゴルフ場利用株式等を除く)の賃貸料

 

非課税資産の輸出取引について

問題はこれに該当するかどうかで悩むケースが多いと思います。

この取引に分類できれば、輸出免税取引と同様に、課税売上高に算入できることから、課税売上割合の算定上、納税者に有利となります。

ただし、有価証券の輸出には、非課税資産の輸出の規定は適用されませんので、この取引に該当するのは、主として次の取引となります。

・外国債券等に係る受取利息(外国公社債券の利金)

・収益分配金を対価とする集団投資信託等(外国投資信託の利金)

ここで問題となるのは、国外取引に該当するかどうかの内外判定です。

債券に関しては、「資産の債務者が非居住者である」ことで判定しますので、「公社債等の発行者が非居住者であるかどうか」を確認することになります。

投資信託に関しては、「信託の受託者(債務者)が非居住者であるかどうか」で判定することになりますので、投資信託の説明資料・目論見書(資料がない場合は、私は銘柄からネット検索して入手)などで確認します。

 

まとめ

消費税の取引区分判定のため、後から資料をネット検索すると、かなりの時間を取られます。

また、古い有価証券の資料はネットに残っていないことも多く、後から確認することが難しい場合もあります。

そのため、お客様が有価証券の取引を行っているがわかっている場合には、できる限りお客様に取引した証券にかかわる資料を残しておいてもらうようお願いしておくことが一番重要かもしれません。