個人情報保護法ガイドライン(案)についてのパブリックコメントが意見募集されています

昨日(2016)、所属している(一社)神奈川県マンション管理士会より、メールにて通知がありました。

大元の発信は国土交通省で、上部組織である(一社)日本マンション管理士会連合会よりの通知を転送いただいたようです。

なお、管理組合と個人情報保護法の改正との関係性については、次の記事にまとめています。

 

東京都マンション管理士会の意見

ガイドライン(案)前に、8月時点で、マンション管理組合のうち、管理会社に委託をしている管理組合に関しては、この法律の対象から除外する緩和措置が必要と、東京都マンション管理士会は意見を国土交通省に出していたようです。

この理由は、管理組合は一般的な事業会社とはその性質が異なり、一般の事業会社と同様の位置付けとすることには馴染まないからとのことでした。

もちろん、直感的には、一般の事業会社と、非営利で、かつ、脆弱な組織構造しかない管理組合とを同列視してしまうような法律の適用に関しては、思うところがあります。

しかし、取り扱う個人情報が5,000人以下であっても個人の権利利益の侵害はありえることから、今回の改正となっています。

もし、この意見を出すのであったとすれば、この段階ではなく、個人情報保護法が改正された昨年9月以前だったのではないでしょうか?

さらに加えていえば、安易な緩和、除外措置の立法は、その改正の趣旨そのものにも影響を与えかねない法律の穴を作りえます。

 

中小規模事業者に対する配慮は行われています

上記のこととは別に、今回のガイドライン(案)では、5,000人要件の緩和によって新たに個人情報保護法の対象となった中小規模事業者に対して、一定の配慮が行われています。

具体的には、ガイドライン(案)では、講ずべき安全管理措置の内容について「中小規模事業者における手法の例示」がガイドライン(案)の末尾に添付されています。

内容を読めば、確かに中小規模事業者に該当しなかった場合の例示よりも簡素になっていることがわかります。

なお、ここにいう中小規模事業者とは、次の通り定義されています。

「中小規模事業者」とは、従業員(※2)の数が 100人以下の個人情報取扱事業者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。

・その事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数の合計が過去 6月以内のいずれかの日において5,000を超える者

・委託を受けて個人データを取り扱う者

(※2)中小企業基本法(昭和38年法律第154号)における従業員をいい、労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号)第 20 条の適用を受ける労働者に相当する者をいう。ただし、同法第21条の規定により同法第20条の適用が除外されている者は除く。

 

管理組合の実態とは適合していません

自主管理で、直接雇用をしているよう管理組合を除き、一般にイメージされるマンション管理組合は、ここで前段の定義にいう「従業員」を全く雇用していません。

したがって、ガイドライン(案)の各項目の前提となっている従業員はおらず、役員自らがこの業務を行うか、もしくは、管理会社に委託し、管理組合サイドで「委託先の監督」を行う必要があります。

やはり、基本は事業会社向けである以上、このような不整合は少なからずあります。

また、この改正自体をビジネスとする便乗商法には警戒しなければなりませんし、今回の改正に全面的に賛成しているわけではありません。

ただ、個人情報保護は大切だとしながらも、情報漏えいをどんどんやってしまっている企業に対して、何らかの対策やルールは必要だと考えます。

そして、この改正が、その意味で個人情報に関わる現状をより良い方向に変えて欲しいと願っています。

 

まとめ

マンション管理組合は「事業者」であり、消費者保護法にいう「消費者」に該当せず、役員の責任含め、他の事業会社に準ずる対応を求められることに、かなりギャップがあることは確かです。

ただ、マンション管理組合のみならず、税理士業務でも接する中小企業の皆様にも関わるものですので、マンション管理士でもあり、税理士を目指すものとしても、しっかりと内容を把握し、質問などに対応できるようにしたいと考えています。