分譲マンションにおける民泊対応の進展について

世間でも知名度が上がってきた民泊に関して、分譲マンション管理の視点から何度か記事にしてきました。

この分譲マンションにおける民泊問題に関して、ブログを休止している間も色々進展していました。

 

住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行は一部を除き6月15日から

皆さん、ご存知でしたでしょうか?

昨年6月16日に公布された民泊新法ですが、その施行日は、昨年10月に閣議決定されていました。

したがって、施行日である6月15日以降は、この民泊新法に規定する住宅宿泊事業を営むためには、それぞれの都道府県の条例による制限を受けることとなります。

ただし、施行日は同一ですが、条例による制限ですので、その制限は都道府県によって異なるため、一律ではありません。

 

事業者の届出は3月15日から既にスタート

施行日はまだですが、施行日からの事業をスタートさせるため、届出などは既にスタートしています。

ただし、分譲マンションにおいて住宅宿泊事業の届出を行うためには、管理組合が禁止していないことが条件とされています。

したがって、民泊を禁止したい管理組合においては、この禁止を管理規約などで明文化する必要がありました。

しかし、管理規約の改正には総会決議が必要であり、昨年3月に公布された法律に対し、届出開始前の3月14日までの期間に、規約改正まで行うことは困難です。

そのため、規約改正が間に合わない管理組合においては、少なくとも理事会において住宅宿泊事業禁止予定である旨の決議を行う必要がありました。

管理会社の業界団体であるマンション管理業協会が会員受託管理組合において実施したアンケートによれば、2月4日時点の調査においては、調査対象となった87,352管理組合のうち、70,631管理組合(80.9%)が禁止決議し、容認派は、270管理組合(0.3%)に過ぎませんでした。一方で、残りの16,721管理組合が未決議の状態にあり、残り1ヶ月でどこまで禁止決議が進んだのかが気になるところです((一社)マンション管理業協会、2108.3.2公表、「【調査結果発表】協会会員社受託管理組合における民泊対応状況調査結果について」より引用)

 

民泊可否条文を知らない38.8%

マンション管理新聞の記事

この他にも気になる購読しているマンション管理新聞で気になるアンケート結果がありました。

先のマンション管理業協会が実施しているアンケートは、管理会社に管理を委託している管理組合に対するアンケートでした。

マンション管理士新聞の記事(2018年3月25日、1067号)は、管理組合の団体であるNPO法人全国マンション管理組合連合会が実施した主として自主管理組合を対象としたアンケートです。

このアンケートでは、会員のうち自主管理と思われるマンションの9割以上が禁止決議との回答をする一方、その禁止条文案である標準管理規約民泊可否条文に関しては38.8%が知らないと回答しています。

管理組合は、専門家集団ではありませんので、知らないことに無理はありませんが、専門家である管理会社のアドバイス受けることができる管理組合はまだしも、自主管理の管理組合はどうやって具体的に禁止するのでしょうか?

 

民泊問題の本質はヤミ民泊

正直、適法に営業する住宅宿泊事業は、適切に対処すれば、管理組合の決議によって、その可否をコントロールすることができます。

しかし、それよりもヤミ民泊はさらに厄介な問題です。

ヤミ民泊自体の定義は難しいのですが、住宅宿泊事業法施行前の現時点では、旅館業法の許可を受けていない宿泊施設というのがもっとも簡単です。

ただ、実際の分譲マンションを旅館として登録し許可を受けることは現実的ではないので、現在、具体的なヤミ民泊としては、転貸禁止の分譲賃貸マンションを民泊施設として利用することなどがこのヤミ民泊に当たると考えています。

ヤミ民泊は営業許可も取らず、貸主の許可も取らず、管理組合には居住者名簿の届出もしないという状況ですので、実態を把握しようがありません。

また、昨今はニュースにもなっていますが、このようなヤミ民泊が犯罪拠点として活用されるケースが明らかになりつつあります。

このような民泊を管理組合が歓迎できるはずもありません。

 

まとめ

民泊は、ネットを活用して様々な手法が生み出され、スペースの活用法としては優れていると考えます。

その一方で、長期的に特定の居住者によって利用されることが想定されて建設されたマンションや戸建を、不特定対数の利用に供することは、そもそも論として難しいはずです。

集まって住む人々がいる場で、その活用法に潜むリスクをどのように考えるかが、この問題の本質だと思っています。