直感と客観の使い分け、計画、観察と決断

税理士を目指すようになって、税理士試験を受験し、その重要性を改めて実感したのは、長期的な目標と、それを具体的な行動にまで落とし込む、実行計画の必要性でした。

ただし、計画だけ作っても、そこで満足し、実行されなければ意味がありません。

うまくいかなかった時、そこを修正するのに何が重要かを考えるようになりました。

 

大学院でも計画の重要性を習います

税理士試験の科目免除のため、通学している大学院ですが、MBAを取得できる社会人大学院だけあり、税法だけに限らず、様々なことを学ぶことができます。

先々週まで受講していた「Business Law(企業法学)」の講義では、企業に関わる法律などを学びました。

もちろん、企業法学という科目名通り、主に法律を学ぶわけですが、そこでは企業のガバナンス、リスクマネジメントの実効性を担保するため、PDCAを組み込んだ計画とその改善を含む実行サイクルの確立が求められていました。

また、緊急時には、その判断ための時間が失われることから、クライシスマネジメントでは、緊急対応のマニュアル化も推進されています。

したがって、計画の重要性が、強く謳われ、その実行が求められていることは明白です。

 

現実は計画通りには進まない

しかし、現実は計画通りには進みません。

現場に近づくほど、計画と現実には乖離があることが体験として、よくわかります。

税理士試験受験開始直後は、税理士事務所に勤務できず、郵便局やセブンイレブンでアルバイトしていました。

今まで就職する時は、必ず働いて稼ぐ以外にも複数の目的や目標を持って勤務することにしていました。

そうでないと、働く時間がもったいないと考えていたからです。

短い期間で、かつ、アルバイトというポジションからでしかありませんが、末端からマネジメントがどのように見え、届いているのかが、現場レベルでの体験として少しわかりました。

 

直感と客観の使い分け

先に結論から書くと、直感で判断すべきではないことは「計画」を優先し、客観性よりも直感が優先されるような事柄に関しては、「観察と決断」を大切にすべきだと考えています。

計画は、特に1年を超えるような長期目標において、かなりの威力を発揮します。

また、年単位の期間比較などは、直感に頼っては実態と乖離することが多いため、計画と記録がキーポイントになります。

私が今学んでいる会計や税務は、まさにそのためのツールです。

したがって、規模の大きい組織や資格取得などの長期目標には、計画はとても有効に機能します。

ここを直感に頼ってしまうと、どうしても対応が場当たり的になりやすく、「時間×方法×情熱×努力」の掛け算が歪みやすくなってしまいます。

逆にしっかりとした事業計画ができれば、一貫した継続的努力が実りやすくなり、マネジメントでよく登場するPDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Act:改善)サイクルも十分に活用可能となります。

しかし、この計画とPDCAサイクルは、その期間が短期的で、かつ、変動要素の大きいものには、あまり機能しません。

それにも関わらず、企業経営の世界では、あらゆるものに、この「PDCAサイクル」がかなり幅を利かせています。

管理するサイドからすれば、計画を与え、フィードバックを得て、改善計画を練るというパターンがとても分かりやすいからだと考えています。

しかしながら、管理のためのマネジメントであっては、事業はうまく行かないはずです。

ただでさえ、不足しがちな経営資源を管理のために大きく使ってしまっては、非効率な経営になりかねません。

 

機動戦

最近読んだ田中靖浩著『米軍式 人を動かすマネジメント』では、テイラーから始まる現在経営学的管理方式ではない事業実行手法として、米軍での研究に基づいたManeuver warfareを「機動戦」と呼んで紹介しています。

この機動戦とは、作戦に基づいて物量で勝つ戦い方(消耗戦)の逆のアプローチで、先が見えない環境に対して、兵員が自主的に判断・行動し、作戦目標を達成させる戦い方のことです。

その手法として「OODAループ(ウーダループ)」が紹介されています(この本で、企業経営向けにもう一歩踏み込んだ提案もされています)

この「OODAループ」とは、戦闘機パイロットが行っていた一連の流れを「観察(Observe)」「方向付け(Orient)」「決断(Decide)」「実行(Act)」の4ステップに分解したものです。

マネジメント主体の、トップダウンに計画を実行させるPDCAサイクルと真逆に、ミッションという方向付けはしつつも、その達成に対しては、現場からのボトムアップによる解決を志向しています。

ある程度の計画レベルまではPDCAサイクルが有効に機能しますので、ここは客観的な視点から、行動した方が合理的ですが、あるレベルからは、直感に基づき、「OODAループ」を採用して、現場サイドからボトムアップで環境変動に対応した行動をした方が、成果に結びつきやすくなると考えています。

 

まとめ

ウォーシミュレーション(特に電源がいらないゲーム)は、大好物なので、ちょっと長くなってしまいましたが、結論は、なんでも計画すればいいという風には考えていないということです。

念のため申し添えますが、のっけから精神論では話になりませんので、一定の準備が前提であることはいうまでもありません。