A Written Oath

湘南藤沢の開業税理士・マンション管理士・社会人大学生のブログです

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マンション管理転職・起業・独立

「マンション管理士」という資格に不足しているもの

以前にも記事にした通り、長い目で見れば、不可能ではないと考えつつも、私自身、この資格単独で食べられる状況を目指しているわけではありません。

そもそも食べていけるのか?マンション管理士の報酬と対価について

 

また、名称独占資格でしかなく、独占業務がありません。

「マンション管理士」とは?

独占業務がある弁護士や公認会計士、税理士ですら、資格を取っただけでは食べていけなくなると言われているのですから、「何をか言わんや」という状況です。

 

それでも毎年1万人を超える受験者がいる

この「マンション管理士」という国家資格は、受験者数が減っているとはいえども、毎年1万人以上の方が受験しています。

合格率が平均約8%で、初年度は10万近くが受験しており、合格者の累計は3万人を超えています。

それだけの方が、この資格に何かを期待して受験していると思います。

ただ、統計資料などがあるわけではありませんが、その半数ぐらいは、かつての私と同じ、管理会社内マンション管理士だと考えています。

 

そのほとんどは管理会社内マンション管理士

基本、マンション管理全般の知識に、最も明るいのは、管理会社の社員です。

しかも、多くの管理会社で資格取得を奨励しており、忙しい中で勉強するというハードルはあれど、それはどの業界でも同じだと思いますので、やはり資格取得を目指す人が多くなります。

結果、合格者の多くが管理会社内マンション管理士だと思っています。

加えて、大手企業であるほど、人事において有利に評価されたように感じています。

また、私の経験上のみの話ですが、管理会社の資格取得制度では、合格に対する奨励金が多く、資格手当のようなものは、ほとんどありませんでした。

このことが影響しているのか、合格だけして登録する必要はないと考える方が多かったように思います。

この要素以外の影響もあるかと思いますが、実際の登録者数は、合格者の7割程度のようです。

 

マンション管理士の多くは複数資格所持者

独立している方の多くは、複数資格を取得しています。

特に多いと感じるのは「行政書士」ですが、他にも「一級建築士」、「司法書士」の方などを直接知っています。

例外的に、資格として主要なものを「マンション管理士」しかお持ちでない方もいらっしゃいますが、その方々は、元々、特定の分野(保険代理店・FP・専門コンサルタント業など)で独立できるだけの知識や経験がある方でした。

 

資格試験は、ほぼ暗記試験

大学入試や他の国家資格でも同様だと思いますが、暗記主体の試験です。

過去問を暗記レベルになるまで、反復して解くことにより、合格できるようになります。

私は資格創設時(平成13年度)の初年度受験でしたので過去問自体がありませんでしたが、受験当時は管理受託営業として、管理規約案の作成、管理業務委託契約書の作成、技術スタッフと長期修繕計画書の作成などを行っており、民法部分を除く、試験範囲のほとんどを実務でこなしていました。

結局、実務を通して反復し、暗記レベルまで覚えていたことが、初年度合格につながったと考えています。

 

資格合格は無意味か?

「国家資格に合格すること」や「高学歴であること」は、確率論として、ビジネスでの成功の確率を高めるはずですが、感覚的な話ながら、ビジネスで成功することと学歴はあまり一致していないように感じています。

この他、働きながら国家資格を短期で合格される方は、優秀な方が多いと感じていますが、資格に頼らず独自の強みで勝負されている方にも優秀な方が多いと感じます。

そのため、資格取得とビジネスでの成功には、あまり相関関係はないと考えています。

特に、「マンション管理士」という資格はこのマンション管理の分野で、名称独占できる部分では役立つものの、「マンション管理士」としての起業独立においては、それ以外の部分の比重が比べられないほど大きいため、その意義は小さく、ある意味「マンション管理士」の資格合格は、この分野での起業独立における最低限のハードルと言えるかもしれません。

 

まとめ

マンション管理士としての独立に限らないかもしれませんが、ビジネス上での成功と資格取得は、それほどリンクしていないと考えます。

逆に言えば、基本は他の士業と同じと言えるかもしれません。

ただ、独占業務がない部分で明らかに不利なため、その部分をどのように補うのかが、この「マンション管理士」としての起業独立におけるポイントだと思っています。

 

私は税理士登録を目指していることもあり、ほかのマンション管理士の方よりも、「起業独立」の要素を意識しています。

食えない独立をしてしまうと、食べるために「談合」や「手数料商売」などの悪しき習慣に取り込まれやすくなると考えるからです。

そのため、今後もこの部分での情報発信を続けていきたいと思っています。