分譲マンション管理組合の役員になったら知っておいて欲しい3つのこと

この時期は3月決算法人が多いことから税務業界でも繁忙期ですが、分譲マンションの管理組合もデベロッパー・建設会社の決算月に合わせてこの時期にマンションの竣工・引渡しが行われる都合上、不動産管理業界も繁忙期です。

この時期に、新旧理事の交代準備も始まりますが、マニュアルや手引き、引き継ぎなどが整っている管理組合役員となる場合には問題ありません。

しかし、得てして大した引き継ぎが行われず、管理会社のフロント担当者から説明を受けるだけ、もしくは資料の入った袋などをドンと渡されるというのが、よくあるお話だと思います。

そこで、今日は新任理事となった時に知っておいて欲しい心得として、次の3つのポイントについて記事を書きたいと思います。

・管理組合の目的

・管理組合には「事業者」としての性格がある

・管理組合運営における経営「的」視点の必要性

 

管理組合の目的

以前にも記事にした通り、その事業の目的は、マンション標準管理規約の第1条で次の通り規定されています。

「この規約は、○○マンションの管理又は使用に関する事項等について定めることにより、区分所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保することを目的とする。」

したがって、「良好な住環境を確保すること」が目的です。

ただし、「区分所有者の共同の利益を増進する」必要があります。

この目的を達成するため、短期的には、建物の適切な維持管理と経費の抑制が課題となります。

これは、日々のランニングコストを抑えることが、ひいては長期的なメンテナンス費用を積み立てていくことに直結するからです。

そのため、理事会メンバーである理事長や各理事は、業務執行機関の一員として、総会において決議された各事業年度の事業計画や承認事項などを執行します。

そして、監事は、監査機関として、会計監査だけではなく管理組合の業務も監督し、その必要があると判断した時には総会に報告することができます。

 

管理組合には「事業者」としての性格がある

管理組合運営で見逃されがちな視点は、分譲マンションの管理組合も「事業者」であるということです。

分譲マンションの管理組合は、消費者保護法にいう消費者に該当しません。

したがって、営利企業とは異なるものの、事業者として一定の責務を負っているものと考えられます。

もちろん、単純に大企業などが負っているのと全く同じ責務があるとまでは考えていません。

しかし、素人集団の組織だからと保護されるべき消費者であると訴えるだけでは保護される立場にはないことは確かです。

多くの管理組合では、損害保険などによって、万一の突発的なリスクへの備えをしてはいますが、近年改正された個人情報保護法への対応など、管理組合も一般の企業に類似する「事業者」としての責務の履行を求められています。

 

管理組合における経営「的」視点の必要性

前述した通り、短期的には建物の適切な維持管理と経費の抑制が課題であることから、この点に関しても、経営「的」視点から改善をしていくことは必要です。

しかし、さらに大切なのはより長期的な視点からみた経営「的」視点の必要性です。

管理組合のビジョンとして、何を「良好な住環境」とするのかを各管理組合の組合員で共有する必要があります。

人によって、このゴールのビジョンが異なっていては、マンション全体としての合意形成はできません。

この合意形成を図っていくために、マンション管理組合にはコミュニティが欠かせません。

コミュニティの形成を図っていないと、この合意形成のための調整機能を管理組合が果たすことができず、区分所有者間で権利のドッチボールが始まってしまいます。

共同事業である以上、個人の権利ばかり主張していては、共同して事業を営むことができませんし、共済「的」事業の行うことも不可能となってしまいます。

究極的には、その管理組合は機能不全に陥ってしまいます。

 

まとめ

実務的なところをまとめようとするとかなり退屈な内容になってしまうため、今日は心得的なところをポイントとしてまとめてみました。

新任理事になられた際、実務的な基礎知識から不足しているとお感じなられている場合には、アイキャッチ画像にした(公財)マンション管理センター『マンション管理組合新任理事のための基礎講座』が参考になると思いますので、お勧めします。