そもそも税金って何でしょう?

昨日(2016.10.14)は、マンション管理組合への収益事業課税に関して、訴訟があったことを記事にしました。

また、この課税(税金をかけること)が適法かどうかを判断する基準って何なのでしょうか?

正直、私も勉強中です。

税理士試験では、すでに定められている法律や通達などをもとに、すばやく、正確に計算し、その理屈を解答用紙に書くことが求められていました。

しかし、科目試験免除のための修士論文を書く上では、その要求が変わってきます。

具体的には、その法律などを理解した上で、どのような問題、課題があり、その改善はどのようにすべきかなどといったことが大切になります。

税理士試験とは全く違いますね(苦笑)

このような要求事項の違いが、税金に対する視点や勉強すべきことを変えています。

 

いまTax Lawの受講準備をしています

一昨日、記事にした通り、この税金に関する法律の根本的なところを勉強の対象とする「Tax Law(租税法)」の講義準備をし、いままさにこの論点を勉強しています。

この視点がないと、訴訟となった場合、どのような理由からその判決が出たのかを読み取ることができません。

 

大島訴訟

「サラリーマン税金訴訟」とも呼ばれており、今記事の題名にもしている「そもそも税金って何でしょう?」という問いに対する最高裁判所の見解(判示)が示された訴訟でもあります。

この事件では、個人の事業所得は必要経費が控除できる制度となっていることに対し、給与所得では概算控除(改正があり、現在では「特定支出控除」と呼ばれる一定の必要経費控除も可能)しかできないことが、憲法14条1項(法の下の平等)に違反し、違憲であるとして訴訟になりました。

この判決では、判決文をそのまま引用すると、「国家が、その課税権に基づき、特別の給付に対する反対給付としてでなく、その経費に充てるための資金を調達する目的をもつて、一定の要件に該当するすべての者に課する金銭給付」と判示しています。

もう少し噛み砕くと、税金は、「公共サービスなど(特別の給付)に対する対価(反対給付)としてはではなく、その歳出(経費)に充てるための資金を調達する目的をもって、法律(一定の要件)に該当する国民(すべての者)に負担させるお金の義務(金銭給付)」ということになります。

なお、この税金(租税)の意義に関して、旭川市国民健康保険事件という、より純粋に「税金とは何か?」と問われた訴訟があり、この事件においても大島訴訟でのこの意義が判示において引用されています。

さらに、大島事件では、その税金の果たしている機能として、「租税は、今日では、国家の財政需要を充足するという本来の機能に加え、所得の再分配、資源の適正配分、景気の調整等の諸機能」を挙げており、この機能を果たす税金という負担を決めるためには、専門的技術や判断が必要であることから、立法府(国会)の裁量権を尊重せざるを得ないとしています。

したがって、詳細は割愛しますが、国会で決めた税金(法律)は尊重しますよ、といっているのです。

しかし、裁判所には違憲審査権(憲法違反を審査する権利)があります。

そのため、この判決では、立法府に対する一定の裁量権を認めつつも、憲法に違反するかどうかの判断基準も併せて示し、そして、この事件に対する審査を詳細に行った上で、この事件に関しては、憲法違反には該当しないとしています。

 

まとめ

このように訴訟とまでなると、その判決を出すまでに様々な要素が考慮され、適法(または違法)であるかどうかの判断が行われます。

修士論文に関しても、一つの考え方や視点から、結論を出すのではなく、その歴史的経緯や背景、目的やその効果、弊害などを比較衡量した上で、自分の意見を出さなければなりません。

したがって、簡単には書けないという話になります。

今回は、税金が何なのかという根本的な問いかけから入りました。

ここを入り口に、今後、現在検討を進めているマンション管理組合への課税に関して学んだことをアウトプットしていきたいと考えています。