行田電線株式会社事件とフィルム・リース事件

昨日(2016.4.14)、私が所属するグループの担当ケースについて、投稿しました。

本日は、今週末の講義の中、土曜日にディスカッションが行われる予定の掲題2つのケースについて投稿します。

 

行田電線株式会社事件

このケースでのポイントは、吸収合併した被合併法人の繰越欠損金を引き継ぐことができるかどうかでした。

これに類するケースとして、日曜日にディスカッション予定のヤフー事件があります。

ヤフー事件は、繰越欠損金を引き継ぐために事業再編税制を利用しようとした事例です。

この「繰越欠損金」をキーワードにして、課題が繋がっていてます。

結論、このケースでは、繰越欠損金は合併によって当然に引き継がれる権利・義務ではないことから、吸収合併により消滅する被合併法人の繰越欠損金は承継できないと判示され、納税者が敗訴しています。

 

フィルム・リース事件

こちらのケースでは、映画に対する出資を行うために民法上の任意組合を結成して、映画権利を購入・配給したことについて、その映画権利(無形固定資産)の減価償却が否認されています。

これは、この任意組合のスキームがやりすぎた節税策だったからだと考えています。

なぜなら、この映画購入に関する融資は金融機関の保証により任意組合にはリスクがない状態になっています。

また、映画配給するに関する権利も、その任意組合が購入後、またその映画を製作した映画会社にそのほぼ全てを与えています。

すると、任意組合は、資金に関してノーリスクで、しかも事業活動も行わないという中身ほぼ空っぽの団体となります。

あくまで出資を受け、借り入れをし、会計・税務処理する箱になっているだけなのです。

そこで、任意組合の「事業性」が問われ、映画権利に対する無形固定資産が「事業に供していないこと」を理由に、減価償却計算が否認され、損金算入できなくなるという結果につながっています。

 

対比してみると面白い

俄然面白いのは、フィルム・リース事件です。

行田電線株式会社事件は、その繰越欠損金の承継を何故できると思って申告したのかが調べてもよくわかりませんでした。

上告理由からすると、税法上の根拠なく商法上の規定を持ち出して主張を繰り広げているので、租税回避というよりも後付けの理由のように感じてしまいました。

それに対して、フィルム・リース事件は、形式的には税法上、明らかに合法です。

こちらの判決では、実態が伴っていないという事実認定をした上で、解釈によってその実質に課税を行おうとしています。

 

まとめ

こんな検討をしているうちに、あっという間に明日にはもう週末です。

この週末をなんとか無事に頑張れるよう、今日も残りの予習を頑張りたいと考えます。