1月度のマンションコミュニティ研究会に行ってきました

昨晩(2017.1.26)は、久しぶりにマンションコミュニティ研究会の勉強会に出席してきました。

久々に訪れた月島区民館は工事中でした。

社会人大学院の秋期講義で忙しかったこともあり、昨年9月のミニ勉強会以来、約4ヶ月ぶりの出席です。

 

テーマは「団地における棟別会計の現状と課題」

久々に出席できた勉強会は、会計に関するもので、最新情報が学びたい内容でした。

マンション標準管理規約に団地型が導入されたのは平成9年です。

ちょうど私がマンション管理会社に勤務しだした頃だったのですが、残念ながらこの制定直後の規約改正にまつわる論議には参加できていません。

なぜなら、当時勤務していた管理会社は、最大手の管理会社の一つではありましたが、私の居た支店では、団地型のマンションをあまり管理していなかったのです。

そのため、団地型管理規約の導入に関する問題点などを、直接知る機会がありませんでした。

 

もっとも団地型の管理規約のことを学び、この棟別会計ほか団地管理組合の問題点や課題について知ることができたのは、転職して管理受託営業になった時です。

この頃はちょうどマンション管理適正化法が制定され、第1回のマンション管理士試験を受験した時でもありました。

大規模団地の管理規約を作る機会はありませんでしたが、駅前再開発などの複合用途マンションの管理規約や、流行る初期段階であったタワーマンションの管理規約などについて、携わったり、勉強したりできる機会がそこそこあり、個人的に研究していました。

その時は財閥系の管理会社に勤務していたこともあり、特徴的なマンションの管理規約を収集し、比較・分析もしていました。

なぜなら、販売のために特徴のあるマンションを作ることが求められたからです。

そして、特徴的なものを作れば、良いことだけではなく、当然、様々な問題も起こります。

ランニングコストや、サービス享受に対する公平感・負担感、持続可能なサービスであるかどうか、そのサービスが不要となった場合にどのようにクロージングさせるかなど、当時は、様々な検討を行っていました。

したがって、私の場合は、棟別というよりは、複合用途やタワーの階層間格差などの観点から管理規約や費用負担を分析していました。

ただ、格差の内容は違いますが、究極的には「一つの管理組合内で、どのように費用・リスク負担し、維持運営していくのか?」という視点において、共通するものがあると考えています。

 

「格差」なのか、受容するべき「差異」なのか

今回のテーマ、「ほとんど同じような建物が建っているように見えても、細かい建築的な差異の積み重ねや、地震時の倒壊リスクなどにより、同じような費用負担をしている建物同士にも、実は、小さいとはいいきれない差があり、それを会計的にどのように考え、処理するのか?」という話だと考えています。

目に見える違いがある場合にはわかりやすいのですが、実は目には見えない差異も相当あります。

今回の勉強会では、一級建築士の藤木亮介先生が、研究論文の成果をご発表いただけ、明確な数値として示して頂けました。

また、営繕工事担当者であった時代、その会社に勤務した約4年間に、管理している建物(マンションだけではなく、商業ビル、賃貸マンションなども含む)600棟余りのほぼ全てについて、巡回点検や修繕工事などで建物を診断する機会がありました。

その私の個人的な体験でも、たとえ同じような団地建物が続くマンションであったとしても様々な要因から劣化状況は異なりました。

そのため、修繕費用には、差異が生じないことの方がレアケースです。

また、今回の勉強会でも説明がありましたが、この棟別会計導入契機となった阪神淡路大震災での、他棟団地内で一棟だけが倒壊したケースなど、危険負担の面から見ても棟ごとの差は確実に存在します。

そして、その「差・違い」を「格差」と捉えるのか、「差異」と捉えるのかにより、結論が変わるはずです。

 

管理費においてはよくいわれる「1階の人のエレベーター費用負担」

管理費の負担は、一般には専有面積割合に基づいて算定されています。

この費用には、エレベーターがあるマンションの場合、1階に住んでいる人であっても、最上階に住んでいる人であっても、専有面積が同じあったと仮定すると、同額を負担します。

そして、1階の人は、上階に遊びにでも行かない限り、まずエレベーターを利用することはありません。

逆に、最上階にお住いの方は、毎日利用するでしょう。

この費用負担が一律であることに、負担の不公平感があります。

しかし、エレベーター付きのマンションに住むためには、1階であっても、最上階であっても、管理費を専有面積割合で負担することは、そのマンションに住むための前提です。

これを拒否することは、そのマンションには住めないという話になりかねません。

もちろん、完璧に不公平感をなくせる基準があれば、こんな問題は起こりません。

ただ、いうまでもなく、そんな完璧なものはありません。

したがって、一定の「差異」の受容は、マンションに住むための前提となっています。

その場合に、ほぼ専有面積割合しかなかった基準に、団地内の棟別という新たな基準を加えるかどうかという判断が、この棟別会計の問題です。

 

まとめ

棟別会計には、このような意義があり、今回の勉強会のテーマとなっていました。

マンション管理士の出席者が多かったことから、この問題に興味を持つ方が少なくないことを知ることができ、また、情報をアップデートすることもできました。

そして、発表者の藤木先生もおっしゃられていましたが、問題の本質は、何ら昔と変わっていません。

シンプルな解決策を提示することが難しい話ですが、今回の勉強会により、論点をかなり整理できたように感じています。