分譲マンションの管理組合と公益法人関連税制について
先日は管理組合に対する法人税課税に関して記事を書きました。
しかし、法人税法のうち、公益財団法人などに適用される公益法人関連税制との関連性までは書ききれませんでした。
公益法人関連税制
公益法人に対する税制は、2000年の閣議決定から始まったとされる公益法人制度改革の中で、その税負担に関しても検討が行われ、公益法人関連税制として、法人税法の改正や通達の整備などが行われました。
分譲マンションの管理組合は、前回の記事通り、人格ない社団等とされ、公益法人等には該当しません。
したがって、法人化していない管理組合には適用がありません。
しかし、管理組合を法人化した場合の「管理組合法人」及び「団地管理組合法人」や、マンションの建替えの円滑化に関する法律に規定される「マンション建替組合」及び「マンション敷地売却組合」は、法人税法別表2に掲げる公益法人等とみなされる法人となっています。
特別な扱いがあるわけではありません
管理組合法人等は、法人税法上の取り扱いでは公益法人等とみなされますが、公益法人等に設けられている「みなし寄付金」などの税制上の優遇措置からは除かれており、税率にも違いはありません。
ただ、恩恵はありませんが、一定以上の収入金額がある公益法人等に課せられている損益計算書または収支計算書の提出義務もその対象から除かれています。
結果として、管理組合法人は、収益事業を行っていない場合にも地方税である均等割が原則課税されるという違い(大きいですが)を除き、似た取扱いになります。
均等割の免除申請ができる場合もある
税金の面から考えると、収益事業を行わなかったとしても、法人税の均等割(赤字でも課税される地方税部分)が原則課税されることから、管理組合法人にする税制上のメリットはないように思われるかもしれません。
一応、将来的には制度がなくなる可能性も考えられるものの、収益事業を行っていない場合には、東京都や神奈川県など一定の地方自治体では減免申請を行うことにより、均等割が免除される制度がある自治体もあります。
その場合には、収益事業を行わない限りには法人税を支払う必要がなくなりますので、コストデメリットが軽減される余地はあります。
まとめ
これで収益事業に対する法人税の納税義務などに関して、計算方法などを除き、おおむね書けたと思います。
管理組合の税務に関しては、次回以降で消費税に関して記事を書きたいと思っています。