なぜ起業したのか?「マンション管理士」としての起業について
昨日(2016.1.26)の記事では、「マンション管理士としての起業」について感じていることを書きれなかったので、本日は、この角度から記事化してみたいと思います。
儲かっているマンション管理士もいるらしい
噂話レベルに過ぎませんが、実際、かなり稼いでいるマンション管理士さんもいらっしゃるようです。
特に「第1期」と呼ばれる初年度試験合格者で起業独立された中にそのような方が多いそうです。
これは言うまでもありませんが、それまで管理会社に対抗するような存在は殆どおらず、そのような事業者をオーソライズ(正当と認める)する資格制度もありませんでした。
昨今、よく言われる「ブルーオーシャン」的に生まれた市場に、「マンション管理士」という国家資格のバックアップを受け、管理組合との信頼を構築できた方が、大規模な管理組合と契約を結ぶことにより実現しているようです。
税理士でも、行動経済成長期が始まった後ぐらいの年代に独立された方には、そこで大きく成長された企業を優良顧客として抱える事務所があるとの話を聴いたことがあり、もちろん実力を否定するのではなく、これは時代背景が大きく影響していると考えています。
この他、第2期以降の後発組であっても、首都圏においてはやり方や売り方を工夫されて、成功と呼べるほど稼いでいるマンション管理士さんもいらっしゃるようです(すいません。ここは裏取りできるわけもなく、あくまで私個人が他の独立されているマンション管理士さんから聞いた噂話です)
儲けたいから始めたのか?
このような「成功例があるから始めたのか?」と問われれば、もちろん違います。
事業として採算がとれる必要は当然あると思っています(当たり前ですね:笑)
しかし、昨日の記事のように、これから起業するマンション管理士が、事業を軌道に乗せることは相当厳しいと考えています。
また、「何かの正義感を持って始めたのか?」と問われても、これも「違う」と答えます。
当然、不正義が横行としてもいいとまでは思っていませんが、「ボランティア活動」や「正義の味方」がやりたくて始めたのではなく、自らの経験が分譲マンションの課題や問題に役に立つものであるのなら、必ずニーズがあると考えたからです。
特に小規模マンションにおいて顕著
この「分譲マンションにおける課題や問題に役に立つ」というニーズは、特に小規模マンションにおいて必要とされるものだと考えています。
規模の大きなマンションにも特有の課題や問題がありますが、小規模マンションにはないスケールメリットなどによるある種のパワーがあり、管理会社を大きく動かせる可能性がありますし、ご協力いただけるかどうかという問題はありますが、居住者の中に一定以上の知識やスキル、ご経験のある方が居住している可能性も高まります。
また、予算規模も大きいことから、規模の大きい先行起業マンション管理士さんや一級建築士さん、弁護士さんにご活躍いただける余地が十分以上にあります。
しかし、小規模マンションにおいては事情が異なります。
予算規模の問題から使い道に対する自由度が低い上に、管理組合運営に役立つような知識やスキルを持つ方が住んでいる可能性も低くなり、管理会社主導状態から抜け出すことが大変難しいからです。
したがって、「管理会社依存」的となり、ただでさえ厳しい予算を効率的に使えなくなる可能性が高いからです。
もちろん、管理組合の総意として納得できる価格で、しっかりとやってもらえるなら、「どのようにチェックするのか」という問題は残りますが、管理会社にある程度「お任せ」であっても、特に問題はないと考えています。
小規模マンションにおいて事業として成り立たせたい
一部、財閥系の管理会社などでは、大規模開発マンションやタワーマンションなどがあり、例外となりますが、私が管理会社を転職しての経験上、世の中のマンションの多くは、20〜40戸ぐらいの小規模マンションです。
これは、中小規模のマンション開発事業者が投資できる事業資金力の問題や、敷地の制約(利便性の良いところに大きな土地はなかなか余っていない)などによるものです。
私は、この小規模マンションに対する「セカンドオピニオン」、または「顧問業」としてのコンサルティングが成り立つかどうかが、「管理組合から必要とされるマンション管理士」、「活躍できるマンション管理士」の条件だと思っています。
これは、この規模のマンションには、先に挙げたような状況があることから、「現状を変えたい」または、「現状を変えるほどではなくとも、管理会社任せでいいのかどうかに疑問を持っている」などのニーズがかなりあると考えおり、加えて、この小規模マンションの課題や問題に取り組むことが業界全体に一石を投じていくためにも重要と考えているからです。
そのため、この小規模マンションに対するコンサルティングで成功と言えるまでの事業にされていた馬渕裕嘉志先生の手法を学びたいと考え、『活躍できるマンション管理士養成塾』に通い、(一社)マンション管理相談センターのメンバーとなることとしたのです。
中規模以上のマンションでは、予算規模があることから、専門家に対してかなりの報酬を支払うことが可能ですが、小規模マンションではそうではありません。
そのため、多くの小規模マンションでは、まず「管理組合予算が適正かどうか」や「管理委託契約がベストな内容かどうか」を見直し、予算に剰余を生み出せる余地あるかどうかの検討から始めなければならないような状況にあります。
管理の見直しにはかなりの工数を要します
しかも、一概には言えない部分が多少はありつつも、マンションの規模が変わってもそれほど大きくは工数が増えないのです。
したがって、大きなマンションほど効率的に処理できてしまう側面があります。
それでも、前段の理由から小規模マンションの問題に取り組みたいと考えているため、顧問報酬としての最低報酬額を設定の上、事前に頂いた資料を基に分析したコンサルティングによる成果報酬を加味し、契約受託を検討しています。
もちろん、効率化には取り組んでいますが、実際問題、管理見直しなどにかかる工数から積み上げ計算してしまうと、小規模マンションでは現実味のない価格になってしまうのです。
まとめ
現時点ではこれからの起業状態のため、まだ想定や理想であり、具体的と言える体験ではありませんが、現状はこのように考えています。
これからは、「ニーズ」に対して、「事業採算性との戦い」を続けることになると思います。
一応、そのための対策として、私は「所得の分散化」を行っています。
余談ながら、馬渕先生は、すでにご成功されていると言っても、そら恐ろしいまでの『ショートスリーパー(短眠者)』で、しばしば「3時間しか寝ていない」とか、「昨日は1時間ぐらいかな?」と話され、平均しても4時間半ぐらいしか寝られていないように話されていました。
週末は当然に、理事会・総会や各種イベントなどが 詰まっていますから、平日も特別に予定を入れなければ、始終働いています。
好きなことだとしても、これではどれだけ売上や利益が出ていようが、普通の人は倒れます(と言いますか、馬渕先生も、ときおり不調に見舞われています)
馬渕先生いわく、「楽しくてしょうがないからやっている」ので、不具合はないそうです(苦笑)
私は、別に昼寝をして過ごせるようになりたいわけではありませんが、この境地を目指しているわけでもありません。
コンサルタントとか、外資系のとてもよく働く皆さんも、「多少寝なくても死なない」などとおっしゃいますが、私は睡眠も十分取りたい(6〜7時間)ですし、子育てにも参画し、家族ともしっかりコミュニケーションをとりたいです!
したがって、その中で採算性を追求しながら、成果を出せるように、事業採算性を追求しつつ、事業を軌道に乗せたいと思っています。