東京都マンション管理士会の一般研修に行ってきました
昨日(2016.3.29)は、(一社)神奈川県マンション管理士会を通じて案内のあった(一社)東京都マンション管理士会の一般研修に秋葉原まで行ってきました。
研修テーマは「排水管洗浄についてのマンション管理士向け基礎セミナー」でした。
期待していたのは、第一部のセミナー部分よりも、「排水管洗浄に関する諸問題をマンション管理士の視点で捉える」と題されたパネルディスカッションです。
狙いは、5年近くマンション管理の現業を離れたことによる課題意識のズレを調整することでした。
まずは腹ごしらえ
早めに秋葉原についておき、夕食を食べます。
最近の外食は、手短に済ませたくて麺類ばかり食べているような気がしたので、今回はガッツリお肉が食べたいとネット検索し、時間や距離の兼ね合いから『ローストビーフ大野』をチョイスしました。
どうやらいつも行列ができるお店のようで、私が行った夕方17時ぐらいの時間帯でも7〜8人並んでいました。
待っている間にオーダーを考えますが、注文の選択肢は、「和牛ローストビーフ丼定食」と「ローストビーフ丼定食」の二つしかありません。
大盛り無料であることから大盛りで「ローストビーフ丼定食」を頼んでみました。
実物を見てもインパクばっちりのローストビーフの山です。
肉を食べるという目的どおりの夕飯を食べ、大満足でした。
セミナー
いきなり脱線させてしまいましたが、今回の本題はこちらです。
研修内容は、タイトル通りに基礎セミナーでした。
排水管洗浄の必要性、工法や注意点など、FAQ的な質疑応答が可能となるようなレベルでの解説がありました。
今回、新たに学ぶことができたと振り返って思うことは、高経年マンションの問題だけでなく、詳しく「ディスポーザー付き」タワーマンションの解説があったことです。
昨今のタワーマンション大量供給により、業界として課題意識があることを知ることができました。
この他にも質疑応答でもう少し踏み込んだところにも言及がありましたが、時間の関係もあり、すぐに終わってしまいました。
パネルディスカッション
「排水管洗浄についてマンション管理士がいかに関わるべきか」という部分の話が聞けると思い、今回の研修のメインとして考えていましたが、残念ながら、そのような話にはなりませんでした。
もちろん、基礎研修として考えれば、学べるところが多々ある有意義な研修でした。
しかし、「排水管洗浄に関する諸問題をマンション管理士の視点で捉える」との題目だったにもかかわらず、内容としては、「排水管洗浄業界からの問題提起」となっており、「マンション管理士にその部分の解決に協力して欲しい」との業界団体からの要請だったように感じたからです。
全くマンション管理士にとって役に立たない話というわけではありません。
業界団体側の課題解決に協力することで相互に利益があることであれば、当然協力したいと考えますが、今回の話は少し筋が違うと感じました。
それは、マンション管理士としてお客様に提供する価値を増進させる話というよりも、業界として困っているから助けて欲しいというニュアンスを感じたからです。
私自身実施する管理会社サイドの担当者として苦労した部分もあり、気持ちとしてはとても共感できます。
また、私の知る排水管洗浄の現場の状況からすれば、業界が危機意識を持つことはよく分かる話です。
ただ、マンション管理士としての立場に立てば、排水管洗浄に関連してお客様にどのような価値を提供できるのかという部分が弱く、具体的に言えば、「明確な数字をもって、溢水事故の確率を減らせる」とか「排水管洗浄をこのようにやれば、排水管の寿命がこれぐらい伸びますよ」と言った顧客利益提供に結びつく話がもっと欲しかったと思いました。
まとめ
今回はあまり良い感想を書けませんでしたが、大切な問題提起であり、業界としてこの部分の課題意識をもっと高める必要があると考えています。
今まで臭いものに蓋をするように、管理組合も管理会社も排水管洗浄業者もすべて「保険」にリスクを丸なげし、問題を先送りにしてきました。
しかし、その結果としてマンションでの保険事故が多発し、高経年マンションにおいては保険料が数倍から10倍近くにも跳ね上がるような事態を招いています。
また、設備関係の修繕計画は長期修繕計画に適切反映されていないことが多く、よほど意識が高い管理組合でなければ、調査もあまり行われていません。
目に見えず、専門家も少ない部分であることから、放置されやすいことに大きな要因があるのではないかと感じています。
そして、いつまでも問題を先送りにできるわけではありません。
隠れ借金とならないよう、課題意識をもって適切な手当てをする必要がある部分だと考えますので、管理組合においては、早めに設備がわかる専門家にご相談されることをお勧めします。