8月度の管理運営研究会に出席してきました
一昨日(2016.8.17)、所属している(一社)神奈川県マンション管理士会で開催されている管理運営研究会に出席してきました。
管理運営研究会は、第3水曜日が定例の開催日で、普段は出席を優先している湘南支部の月例会に出席しているのですが、今回は、お盆により支部例会の開催日程が第4水曜日に変更となりました。
そのため、管理運営研究会への出席は、5月度以来3ヶ月ぶりです。
出席者は29人で過去最大
お盆時期だったからなのか、テーマが良かったのかはわかりませんが、過去最大の出席とのことでした。
前月の法務研究会は31名出席でした。
神奈川県マンション管理士会の会員は、現在219名前後だったはずですので、会員の13〜14%程度が研究会に参加している状況です。
テーマは管理規約の改正について
今回は発表者の方がお住まいのマンションにおける管理規約改正についてでした。
そしてその改正にかかわる疑問点などに関して、研究発表と意見交換が行われました。
規約改正を行うにあたって、どのような点が疑問点や論点になりうるのかがわかり、その意味では興味深い発表でした。
規約改正を行う上での視点
今回の研究会で、もっとも気になったのは、規約改正をどのような視点から行うのかの軸が見えなかったことです。
規約を改正するにあたって、何が達成したいのかが見えず、発表者以外からの意見は建設的なものばかりでしたが、ゴールがはっきりしていない以上、議論は錯綜しがちだったように思われました。
管理規約改正上の論点は、条項ごとに違いがあり、一言ではいえない部分もありますが、おおむね次のような視点に集約されると考えています。
法的な正しさ
視点の一つは、法的な正しさです。
明らかに優先する他の法律との齟齬がある条項は、適法とする改正が必要です。
共同利益の追求
二つ目の視点として、管理組合としての共同利益の追求です。
管理費等の滞納を督促する場合に、弁護士費用を滞納者に請求できるかどうかは、100%ではないものの管理規約に記載があるかどうかにかかっています。
上述の二つは、原則としてどの管理組合においても結論が変わるものではありませんので、特別な議論は必要なく、改正の趣旨を説明できれば事足りると思っています。
利害関係者間の衡平性
もっとも難しく、大切なのは、三つ目の視点で、利害関係者間の衡平性です。
これは、それぞれの管理組合の事情により改正における結論が変わりえます。
この視点が必要な条項の改正は、論理的な正しさよりも相互の納得感や理解が優先される場合があると考えています。
したがって、管理組合内部で議論を尽くし、説明を行うなど、その調整へのアプローチが重要です。
それにもかかわらず、この部分を上述の2つの視点を理由に改正しようとすると、普通はまず揉めます。
そのため、この部分の洗い出しと調整が規約改正におけるポイントです。
まとめ
管理規約の改定は、管理組合内部での調整が重要です。
専門家や一部の役員が理解しているだけでは意味がありません。
改正内容そのものも大切ですが、勉強会や説明会開催など、その周知や理解への努力こそが一番重要なポイントだと考えています。