国土交通省より平成27年度末マンションストックが発表されました
今月、国土交通省のマンション政策室より、平成27年度末現在での全国のマンションストック戸数が発表されました。
平成27年度末の総ストックは、623.3万戸です。
平成26年度末より、1年間で10.1万戸増加しています。
マンションの定義
統計資料でいうマンションの定義は、「中高層(3階建て以上)・分譲・共同建で、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄骨造の住宅」です。
おおむね一般にイメージされるマンション通りの定義と思われます。
しかし、この定義からすると、テラスハウス形式のものなどは含まれていません。
また、投資用ワンルームマンションなども含まれる定義ですので、一般的な分譲マンションのイメージ通りというわけでもありません。
増えているのは分譲マンションだけではない
2015年の国勢調査では総人口が94万人現象し、少子高齢化の進展が明らかにもかかわらず、1年間でこれだけ増加しています。
しかも、これは分譲マンションのみの資料で、戸建ては含まれていません。
さらに言えば、賃貸も含まれていません。
これだけ増加すれば、地方で空き家問題が生じるのは、当然です。
日本は新築住宅優遇税制だった
近年は、中古マンションの購入やリフォームにも政策的な優遇税制が出てきましたが、以前は、新築住宅購入にのみ税制優遇がありました。
これは、新しい防火基準や耐震基準を満たした住戸を増やし、良好な住環境を整備するというお題目があったからです。
先日記事にしたような熊本地震などを考えると、その意義自体は否定できません。
しかし、古い住宅をどうしていくのかという対処なしに、ただ優良な新築住宅を増やす政策だけを導入してきましたので、新品性向が強い日本人気質が加わり、不動産市場は新築に偏った市場になってしまいました。
そこが変わりつつあります
まだ政策レベルの話ではありますが、先日も記事にした通り、この部分を変えるべく、国土交通省は不動産の中古流通を活性化させようとしています。
その一環として、分譲マンションにおいては、標準管理規約、標準管理委託契約書の改正が進んでいます。
まとめ
以前にも分譲マンション管理を俯瞰する記事を書いた中で触れましたが、政策的には不動産ストックを活用する方向への転換が進んでいます。
地震が多発するという特有の地理的事情のある日本で、欧米のような建物が全壊するような事態をほぼ想定していない政策が通用するのかどうかは未知数ですが、人口減少により経済の縮小が見込まれる中、これ以上、新築偏重の政策を続けることも難しいと考えます。
そのため、今あるストックをいかに活用し、次世代へ繋げていくかということが、今後さらに重要になると考えています。