市場のズレと不動産市況について
今朝はすごい雪でしたね。
想像以上の降り方だったので、驚きました。
今日は、驚いただけで済みましたが、明日は日陰などに雪が残ると、路面凍結が心配です。
皆さん、足元には十分注意してください。
さて、以前地元の藤沢で住宅がたくさん建設されていることを記事にしました。
また最近、J-CASTニュースで、相続税節税対策となる「サブリース」がマイナス金利を背景に増えているとの記事を目にしました。
確かに、藤沢では実感があります。
しかし、それは全国的な現象なのでしょうか?
そこに疑問を持ったことから、少し調べてみました。
実は全国で見ると変化はほとんどない
記事も参考にしている日本銀行の「貸出先別貸出金」のデータをもとに検討してみました。
確かに2016年9月期に不動産業務向け融資の32.9%は「個人による賃貸業」対する融資であり、件数比でみれば61%には違いありません。
しかし、2016年9月期の総貸出(国内3銀行・信用金庫)に占める「個人による賃貸業」向け貸出残高は、3年前の2013年9月期の比率よりも、むしろ下がっています(5.28%から5.17%へ)。
この資料からだけでは読み取れない
個人的に分析した結果として、私はこの資料は不動産業の市況傾向を読み取ることはできないと考えます。
3年前程度の数字からでは、総貸出からは不動産市況のトレンドの動きが読み取れるほどの変化はありませんでした。
その反面、確かにJ-CASTニュースで記事されるようなトレンドは感じます。
おそらく業界関係者は、仕事上の接点からより強くそれを感じるはずです。
その実感は統計データには現れにくいようです。
結果として、実感と統計的数字にはズレが生じます。
そして、不動産が持つ特性として、そのズレが特に大きい業界の一つだと感じています。
推測はできますが数的根拠はありません
直感としては、手取り収入(社会保険料などを控除した後の収入)が減るトレンドに逆行して、住宅関連支出(水道光熱費含む)は増加、もしくは価格維持されていると感じており、個人としての可処分所得は減っています。
したがって、一般、個人が投資のための借入れできる状況にはないと考えられます。
一般的な投資的借入れが減っているのであれば、貸出残高はもっと減らねば理屈が合いません。
そのため、そこを埋める借入れ・貸出しニーズがあることは、推測できます。
数字には表れにくい、このようなズレを察知し、そこにマーケットを見出すのも不動産業の特徴かもしれません。
まとめ
不動産業では、このような市場のズレをうまく活用すれば、利益につながります。
また、税務でも種類は違いますが性質などの違いにより税額に差が生まれるようなズレや差異を生み出せる場合があります。
しかし、税務の場合は、制度趣旨を超えるような活用は租税回避になります。
このようなズレは、できれば税務ではなく、事業でご活用いただければと思っています。