3月度のマンションコミュニティ研究会に行ってきました
昨晩(2017.3.23)は、先日のミニ勉強会に続き、今月2回目のマンションコミュニティ研究会の勉強会に出席してきました。
ミニ勉強会は、「相続放棄・破産・競売等にどう対処すればいいか」という専門的なテーマでしたが、今回は「管理組合、管理会社、銀行が情報共有する安全な出納システム 」という、管理会社に管理を委託する多くの管理組合に共通するテーマで、講師は管理会社の日本ハウズイングさんででした。
インターネットを使った支払い承認サービス
勉強会の会場では、重箱の隅をつつくような質問が多く、「サービスを導入して管理組合にどのようなメリットがあるか?」という視点が大勢だったように感じました。
もちろん、管理組合は導入する側ですから、新しいサービスに懐疑的な姿勢であることは当然です。
しかし、インターネットを活用して省力化を図り、迫り来る少子高齢化と経済のシュリンクをどのように乗り越えるのかという世の中の流れは、変えようがない一面の現実ではないでしょうか?
反面、ネットベースでのシステムを導入すれば、その固有の問題(インターネットセキュリティやITリテラシーなど)を避けて通ることができません。
システムを変更することに伴う別のリスクは確かに生じます。
ただ、この点に配慮しさえすれば、インターネットを使った承認サービスには、印鑑を使った払出しよりは、お互いの時間と手間、リスクを軽減できる可能性があります。
理想や希望とのギャップはあります
いまのところ、承認システムであるにもかかわらず、その支払いの必要性を証明する証憑類をオンラインで確認できるようになっていないなど、システム自体に不審を覚える部分があります。
個人認証も単なるID/パスワード方式で、ワンタイムパスワードや二段階認証などが採用されていません。
コスト面の問題もあるのかもしれませんが、ファイナンス会社と提携してシステム開発したという割には、最も心配されるセキュリティ面に対する配慮が今ひとつです。
あまりに過剰なセキュリティにし、現実味のないランニングコストにしてしまっては意味がありませんが、改良の余地はまだまだあると、私も感じました。
単なる世代間ギャップかも
正直、私の世代より若い方であれば、特に抵抗ない方もそれなりにいらっしゃるのではないかと思います。
昨今のネット事情から考えれば、とりあえずリリースして、その反応を見ながら改良するという手法もないわけではありません(むしろ主流でしょうか:苦笑)
最初から完璧なシステムを目指せば、そのコストは膨大になりすぎ、開発が頓挫しかねません。
その良し悪しはともかく、走りながら改良させていく前提に立てば、このようなリリース形態で導入が始まることはよくあることです。
私には、あまり抵抗感がありません。
最初から完璧ではないからといって、揚げ足取りをしているだけでは、発展性はないと考えます。
このサービスが進展するかどうかは、今後のサービス改善に対するスピード感が重要かもしれません。
まとめ
個人的な感想としては、他の大手管理会社にように、特定の金融機関に縛られた決済サービスではなかったことから、独立系最大手だけあり、独自性を出そうとされたのではないかと感じました。
この面において、とても素晴らしいサービスだと思います。
ただ、その先行投資が良い方向に進んでくれれば良いのですが、得てしてこのような投資は収益に直結するものではありません。
今後、経営判断として消極的な対応をされてしまうと、尻切れとんぼのように、この先行投資が続かないという可能性があります。
このまま改良されないサービスとなってしまうと残念ですが、このシステムの改良が進むのであれば、安全度のより高いサービスになる余地は十分にあると考えます。