8月度のマンション管理士会「技術研究会」に出席してきました
一昨日(2016.8.23)は、お盆休みにより普段は第3月曜日の開催日程が延期となった技術研究会でした。
先月は、3連休を利用した社会人大学院の名古屋合同講義と日程が被ってしまったことから、出席できず、2ヶ月ぶりの出席となりました。
テーマは清掃
発表者の方がお住いのマンションという具体例と、ご自身の清掃員勤務経験をもとに、マンション管理における清掃業務に関して意見交換が行われました。
技術研究会のテーマとしては、少し意外かもしれませんが、請負業務としての性格からは、工事に近い作業だと考えています。
しかし、工事のような引き渡しがなく、継続的な人的な作業提供であり、そういう側面からはあまり見えてもらえていないように思われます。
個人的には、汚れの種類により洗浄薬剤の種類を変える、全体工程を考えた段取りなど、単純作業ではなく要素は十分にある業務であると考えています。
評価は難しい
ただ、そうは考えつつも、清掃業務は、客観的に清掃業務を評価することは難しい業務です。
とても属人的なスキルですし、引き渡される具体的なモノがないことなどから、客観的な指標を作ることが難しいためです。
また、きれいになることが当たり前であれば、時間、すなわちコストをかければ、サボっていない限り、一定の成果が出ますが、他の要素(時間対する仕上がりなど)を加えると、一気に複雑化します。
しかも、「きれいにした」という単純な事実もその清掃をした瞬間にしか実現しません。
清掃した後にゴミが飛んでくれば、清掃していないと誤認され、抗弁が難しい場合が往々にしてあります。
ただし、改善の余地は十分にあります
一般論としては前述の通りなのですが、改善の余地が全くないかといえば、そうではありません。
活躍できるマンション管理士養成塾の馬渕裕嘉志先生も管理見直し業務で実施されていますが、特に仕様の面で見直しの余地が十分にあります。
馬渕先生とともに顧問業務を行ったマンションでも、この仕様見直しのための業務監査を実施した上で、清掃仕様を提案しています。
この業務監査が有効である理由は、竣工当初の清掃仕様は、建物が建築される前の図面の段階で作られたものに過ぎず、実地検証を経ていないためです。
実際の業務を確認した上で、清掃仕様の見直しをする管理会社は少ないのはでないでしょうか?
クレームがあったのでもない限り、自ら清掃仕様の見直しを提案してくる管理会社はないはずです。
まとめ
実際のところ、過去のトラブル経験から、清掃業務に関しては、何かと「人」を責めるパターンが多いように感じています。
そして、そのトラブルの原因は別にあり、実は清掃業務が原因ではないケースが往々にしてあります。
そのため、清掃業務を見直すのであれば、これらの切り分けをしっかりと行わねばならず、ここに第三者として専門家の意見が有用となる場合があると考えています。