管理組合定期総会前に確認しておきたい3つのこと
一昨日(2018.5.22)、昨日(2018.5.23)と3月決算の定期総会を控えて、新旧役員の交代や監事の業務に関するポイントについて記事にしました。
今日は、この流れから定期総会が行われるに際して、分譲マンションの区分所有者が注意してほしいチェックポイントを書きたいと思います。
滞納管理費に注意
まず、確認していただきたいのは、滞納管理費等の額です。
しっかりと督促してくれている管理会社であれば、滞納はあっても、口座残高不足など失念によるもの程度であって管理費等1・2ヵ月分程度の額のはずです。
しかし、貸借対照表にそれを超える滞納管理費等が記載されているようであれば、滞納管理費の督促状況に関して確認が必要です。
プライバシーの問題もあり、部屋番号などの開示はできないものと思われますが、少なくともどのような滞納督促の状況(滞納件数、滞納月数、電話督促回数・お知らせの送付回数など)となっているかに関しては、回答可能なはずです。
これは管理会社を責めるためではなく、できるだけ早い段階から滞納督促を実施することで、早期の回収や滞納の長期化を防止できる見込みが高くなるからです。
管理会社の担当者もサボろうとしているというよりは、忙しい中、どうしても大きなトラブル案件から対応せざるを得ない状況に陥ることも多いことから、どうしても滞納督促のような早期に芽をつむ対応が疎かになりがちです。
そこに管理組合からの指摘がなければ、初期段階を見過ごしてしまい、重度の滞納に発展する可能性もあることから、そこに区分所有者の目が向いていることを管理会社に知らせる意味で無駄ではありません。
来期予算に必要な項目が記載されているか
毎年実施されるものに関しては、昨年データを打ち替えて総会資料を作っている関係上、漏れることは少ないと思います。
また近年では大規模な社内システムを活用して作っている管理会社も増えていることから、隔年実施などの排水管清掃などもそうそう漏れることはないはずです。
しかし、長期修繕計画上の項目や設備で交換サイクルの長いもの(駐車場ピット内などの排水ポンプ、管理組合実施で後付けされた住宅用火災警報器など)に関しては、事業計画や予算から漏れる恐れがあります。
フロント担当者が5年や7年担当してくれていて、過去の経緯も全てわかっている状況であれば、単純なケアレスミスで失念しない限りには問題ないでしょう。
しかし、大手管理会社の担当はけっこうな頻度で担当交代が起こります。
システムなどで引き継ぎがうまくいっている場合は、良いのですが、口頭で引き継ぎされてしまうような管理組合ごとの独自のルールやこういった長期サイクルの対応事項には、引き継ぎ漏れが起こりがちです。
なお、お心当たりの設備などがある場合には、総会前に管理会社に連絡を入れておく方がベターだと考えます。
これは、管理会社のせいだけにしても解決しない上に、修繕積立金の取り崩しや予算取りのためだけに臨時総会を開催するのは、区分所有者にとっても大変なことだからです。
民泊対応の規約改正議案が上程されているか
中には、民泊を許可する管理組合もあるかと思いますが、多くの管理組合では民泊を禁止する方向で動かれていると思います。
その場合には、以前にも記事にした通り、3月15日までに少なくとも理事会で民泊を禁止する決議が必要でした。
理事会の決議だけでなく、すでに総会で規約変更まで行われている管理組合であれば問題ありませんが、国土交通省から特区民泊対応の管理規約改正案が発表された時期などから考えると、未改正の管理組合もまだかなりあると思われます。
そのため、この定期総会で管理規約の改正を予定している管理組合も多いのではないでしょうか?
プロとして必要な指摘だと思われますので、管理会社からの指摘で改正を進めている管理組合も多いと思われますが、それすらも行われていない場合は、制度上、民泊が合法的に届け出ることができるようになってしまいます。
その制度上、分譲マンションの管理組合は、原則として事前に通知した議案以外のことを決議することができません。
そのため、民泊を禁止する方向で管理規約を改正して欲しいと考えている区分所有者の方は、理事会での審議がどのように進んでいるのか管理会社に確認しましょう。
まとめ
理事会役員でないとタイムリーに管理組合活動の情報が入手できないことから、その活動がブラックボックスになりがちです。
そうならないように管理組合活動の広報に力を入れる管理組合もありますが、マンパワーなどの問題もあり、まだまだ少数派だと感じています。
そうすると、管理組合運営の状況を知るためには、自ら動くしかありません。
早めに動いていただければ、総会が開催されてからでは間に合わないことにも対処ができる可能性が高くなりますので、ご一考いただければと考えます。