消費税について(取引分類)
『消費税について(概要)』『消費税について(国内取引の課税の対象)』と書いてきました。
今回はその対象として取り扱われることが判明したあとの分類について、まとめてみたいと思います。
なお、条文はそのまま転記すると長いため適宜省略しています。
非課税
まず第1段階として、前回は、そもそも消費税法の対象となる取引かどうかの判定でした。
次に第2段階の判定として、「国内取引の非課税」の規定に該当するかどうかの判定を行います。
「国内取引の非課税」は、消費税法第6条1項に次の通り規定されています。
国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第1に掲げるものには、消費税を課さない。
そして、別表第1は、省略しても長いのですが、「消費税という税の性格になじまないもの」や「社会政策上の配慮」から非課税とされた次の13項目となります。
輸出免税取引
非課税取引でもないと判定された取引は、「国内において行う課税資産の譲渡等」と表現され、第3段階の判定として免税取引に該当するかどうかについて、消費税法上は次の2つの規定により判定します。なお、細かく言うと、消費税法の免税ではない「外国公館等(いわゆる「大使館」など)に対する免税」その他租税特別措置法などによる免税もあります。
詳しくは、税額控除の解説の際に記事化予定ですが、消費税には輸出促進税制の意味合いがあります。
国内には税金をかけて、国外にはかけない税金なのですから、同じ製品が国外では安く買えますよね。
輸出免税等
消費税法第7条(輸出免税等)では、次の通り規定されています。
事業者(消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が国内において行う課税資産の譲渡等のうち、次に掲げるものに該当するものについては、消費税を免除する。
条文中に「次に掲げるもの」と表現されている部分が「輸出取引等」に当たるのですが、次の通り規定されています。
輸出許可書などの書類を保存することにより、「輸出取引等」に該当することを証明できた取引については、消費税が免除されるのです。
輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税
輸出物品販売場とは、いわゆる「免税店」のことです。
所轄の税務署へ所定の申請を行った上で許可を得る必要がありますが、国内で譲渡などを行わずに国外で消費することを前提に、所定の手続きを行うことで消費税が免除されます。
昨今の外国人旅行客への販売促進の意味から、使いやすくなる方向で改正が行われています。
消費税法上は、第8条1項において次の通り規定されています。
輸出物品販売場を経営する事業者が、非居住者に対し、政令で定める物品で輸出するため政令で定める方法により購入されるものの譲渡(非課税されるものを除く。)を行つた場合(一定の金額を超える場合に限る。)には、当該物品の譲渡については、消費税を免除する
6.3%課税取引
ここまで来て初めて、納税が必要となる6.3%課税取引となります。
いままではこれでよかったのですが、Amazonなどの国外に本店を置いてインターネット取引する事業者に対して、消費税の課税対象外となっていた一部の電子取引などが、課税の対象となりました。
いまはそのような取引については、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について(国内事業者の皆様へ)」という形で、今月1日から「リバースチャージ方式」により課税されています。
(ある程度、消費税の解説が進まないと詳しく書きにくい部分もあるので、この辺りも後日改めて記事化したいと思います。)