仕入れに係る消費税額の控除:一括比例配分方式の継続適用

一昨日の「仕入れに係る消費税額の控除:課税売上高が5億円を超える場合等」で、個別対応方式と一括比例配分方式につき選択適用できる旨とその選択適用には一定の制限があることを解説しましたが、本日はその制限の詳細について、まとめてみたいと思います。

 

Sunset

※1:昨日、夕方のジョグ中に綺麗だったので撮影しただけで、この写真は本文には全く関係ありません(笑)

※2:下記の参照条文については、分かりやすさを優先し、条文番号の内容への置き換え、一部省略等を行っています。

 

Collective proportional allocation method

 

一括比例配分方式の継続適用

第30条5項に次の通り規定されています。

 「課税売上高が5億円を超える場合等」において、「一括比例配分方式」により計算することとした事業者は、当該方法により計算することとした課税期間の初日から同日以後二年を経過する日までの間に開始する各課税期間において当該方法を継続して適用した後の課税期間でなければ、個別対応方式により計算することは、できないものとする。

 

選択適用できる規定にはしつつも、一括比例配分方式は、あくまで区分経理できなかった場合等の簡便な計算方法であり、納税額を減らすために規定されているわけではないため、好き勝手には選択できないようにこのような規定が設けられています。

 

次に、期間に関する部分ですが、この条文に限らず、独特なフレーズで表現されています。

これは、法人が決算期の変更により事業年度を短くできることから、最低2年間は継続して適用させるためにこのような言い回しが用いられています。

なお、条文中に「1年をする日」とある場合は、4月1日を開始日とすると「3月31日」のことです。また、条文中に「1年をした日」とある場合は、4月1日を開始日とすると翌年の「4月1日」のことで、読む人によって結果が変わってしまってはいけませんので、厳密に使い分けられています。

事業年度が、一年の場合は、下図の通りとなります。

 

Period_illustrated_sample1

 

まとめ

今回解説したように、消費税には任意選択可能としつつも、租税回避行為に近い納税額を減らすためだけに任意選択しようとする行為を防止するため、一定の制限が設けられています。

このように期間制限がかけられてしまうと、今年度は有利な選択であっても、来期はそうなるかはわかりません。

特に多額で長期的な投資(不動産売買等)を行う際には、消費税額も大きくなり、この選択適用が利益を大きく左右しかねないため、このような要素も含めて検討する必要があります。

当然、顧問税理士さんよりフォローされているかと思いますが、経営者自身がこのような事実知っていないと、経営判断を誤りかねない要素があることにもご留意頂ければと考えます。