A Written Oath

湘南藤沢の開業税理士・マンション管理士・社会人大学生のブログです

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転職・起業・独立

創業して丸9年を迎えました

創業といっても、税務署に開業届を提出した日から丸9年ということで、私の気持ちの上では、サラリーマンを辞めて個人事業主となることを決断し、税務署に届出を出した日という意味になります。

そのきっかけや現在までの道のりに関して、振り返りとしてここで記事化しておきたいと思います。

 

創業のきっかけ

一つは業界的な背景

私のプロフィールを見てもらえば明確ですが、転職ばかりの経歴で「いずれサラリーマンとして勤務するのは難しくなるかも?」と考えていました。タイミングとしては、創業を意識しだしたのは、リーマンショック前後辺りからです。

リーマンショック発生の前後には、いまは事業買収によってなくなってしまった横浜の地方デベロッパーに勤務していました。その会社では、自社分譲したマンションを管理する部門で管理職をしていました。

リーマンショックが発生する前から、首都圏の中小デベロッパーは、かなり行き詰まっていました。

マンションを分譲開発するには土地の仕入れが必要ですが、その土地仕入れが地価高騰により難しくなくなりつつあったからです。

土地の仕入れ値があがっている一方で、競合他社がある中で、それを完全に売価転嫁するはかなり厳しい状況でした。

リーマンショックが起こるまでもなく、その時の勤務先の開発事業は行き詰まっていました。

この時点で、年齢(当時30代半ば)的なこともあり、分譲マンション開発・管理の業界でサラリーマンを続けていくのは相当難しくなると感じていました。

そこにリーマンショックによる融資の急ブレーキがかかりました。

紆余曲折もありましたが、しばらくして会社都合による解雇となり、サラリーマンとして最後の勤務先となる独立系のマンション管理会社に転職しました。

 

東日本大震災

ダメ押し的なきっかけだったのは、東日本大震災です。

独立系管理会社では、分業制が行き届いていないこと(反面、さまざまな業務を自分自身で体験・勉強できるというメリットがあります)もあり、日常業務に追われる中、震災まで来てしまっては業務はパンクします(苦笑

余震も続き、自宅や家族のことも気になる中で、仕事に集中することは難しいと感じていました。

管理会社で業務をする中で、重要だと感じていたのは「事が起こってから事後対応するのでは遅すぎる」ということです。

防災対策も管理組合内部での合意形成も、事前に準備しておくことでその効果を発揮する面があります。

もちろん、事後対応の多くにもテクニックやスキルが影響することから、そこでの業務に価値がないとまでは考えていませんが、かけた労力が成果につながりやすいのは、明らかに前者の方です。

税務においても、不動産買ってしまってからご相談いただいても取れる方策が限られてしまい、効果的な節税などを提案することはできません。

このような事前対応部分に注力しやすいのは、保守的な管理会社というポジションよりは、コンサルタントという立場の方が関与しやすいと感じていました。

そのため、サラリーマンというポジションを離れ、コンサルタントというポジションを目指せる方向性に舵を切る決断をしました。

 

一直線に進めれば一番、だけど、そうもいかない事情もある

このような想いから、サラリーマンを辞めて、個人事業主と起業することを決意しましたが、一方で、サラリーマンを続けながら成果を出せる方が良いとも感じていました。

これは、私の父母が個人事業者(喫茶店主 兼 大家)であり、その苦労を身近に感じていたことによります。

父母は、喫茶店店主として起業してからは、冠婚葬祭以外はまったく休みなく、ほぼ一年中、店を開けて朝から晩まで仕事をしていました。

あんなに働くことはできないと、子供ながらにずっと感じており、完全週休2日とまではいかなくても、売上・借入返済によるプレッシャーから、朝から晩まで働く個人事業主よりは厳しくないだろうと、サラリーマンの安定感は捨てがたいと今でも思っています。

そのような個人的な思い加えて、マンション管理士としての起業は、以前にも記事にしたとおり、投資回収期間が長く、「食える」マンション管理士になるには相当時間がかかると考えていました。

 

 

そして、分譲マンション管理業界の給与は、安いというところまでは言えませんが、会社の安定感と引き換えに決して高給取りというわけでもありません。

したがって、経済的に豊かなわけでもありませんので、長期投資できるほどの蓄えもありません。

これらの事情がある中、起業すると考えると、他の方法もあるのかもしれませんが、結婚もしていましたので、私としては、生活に関して、どうしても保守的に考えざるをえませんでした。

そこで、斜め上の方向性ではありますが、「税理士を目指す」という決意をします。

これは当時、妻が税理士事務所に勤務していたことによって、税理士業をやってみたいと感じる身近なチャンスがあったことと、士業としての安定性に魅力を感じていたことがありました。

また、不動産という業界にいる上で、税務は非常に重要なポイントであり、そこにマストで登場する税理士は、私が不動産コンサルタントとしての業務を目指す上で、必須のパズルピースと考えていました。

しかし、税理士試験に専念するためには、時間が必要です。

そこで、自宅として購入した分譲マンションを賃貸しつつ、そこからの賃貸収入を生活に充てながら、働く時間を最小化し、そこまで生み出した時間を試験勉強に当てようと計画しました。

 

スパイラルフローでのステップアップも考えてみる

そもそも私のサラリーマン人生自体、スパイラルフローでのステップアップでした。

就職氷河期の初期段階だったとはいえ、皆さんが名前を聞いたこともないようなFランク大学(一応、合併先の大学で卒業証明などは取れますが、既に単独で存在してません:苦笑)出身の私が正社員として転職しつづけるには、正攻法ではうまく行きませんでした。

さらに、一旦、正社員職を離れて非正規職になってから正社員に復帰するのは、よりいっそう一筋縄ではいきませんでした。

そのため、前職でのスキルや期待値なども込みで、斜め上にジャンプすることで、次のステップが見えてくるプロセスを続けてきたと感じています。

過去の成功体験に縛られすぎていては、大きな失敗をしてしまうかもしれませんが、手堅く考える上で、いまあるものを生かしながら、次のステップにつなげるために、直線ではないルート取りも一つの選択肢と考えてみただけと思っています。

この検討の上で、手堅く考える一方で、大胆に攻めることができる面を探すことにしています。

これは、手堅く行動するだけでは、成功は難しいという面とのバランスをとってのことです。

また、職場などステージを変える際には、必ず2つ以上の狙いを持つことも、心掛けとしています。

一石二鳥を狙うわけではありませんが、必ず高めの目標と、最低限これは達成したいという2つ以上の目的を持って行動することにより、目線高すぎる目標が自分の首を絞めてしまうのを避ける意味合いと、「最低限これだけは得られた」と言える両面を満たす行動として続けています。

達成感を得られることで、モチベーションを維持できます。

長期戦を続ける中、モチベーションを維持することは、高い目標を達成する上で、私にとって欠かせない要素だったからです。

 

まとめ

分譲マンション1室の賃貸からという、とても小さな一歩からのスタートでしたが、それが現在に繋がっています。

まだ色々書きたいこともある気もしますが、また次の機会に記事にしたいと思います。

では、また。