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湘南藤沢の開業税理士・マンション管理士・社会人大学生のブログです

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マンション管理

管理組合のアドバイザー導入タイミングについて

【Factory Night view of Takaishi】(経済産業省、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示4.0 国際)を改変して作成

今回も記事とまったくリンクしていませんが、アイキャッチ画像は、実家のある大阪で、経済産業省のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの写真を拝借してみました。

 

先日、管理組合のファイナンシャルプランニング面から修繕積立金の見直しタイミングについて、記事にしました。

修繕積立金とファイナンシャルプランニング

財政的にはこのタイミングが最もアドバイザーとして専門家を導入しやすいタイミングだと考えていますが、他にも管理組合がアドバイザーを導入しやすい、もしくは導入した方が良いタイミングがあります。

 

アフターサービス面から

最も早いタイミングは、竣工直後にデベロッパーのアフターサービス対応でトラブルが生じた場合です。

管理面でトラブルに発展することもありますが、多くはアフターサービス対応によって生じています。

ただ、この時点でのトラブルは個人対デベロッパーの対立構図となりやすく、管理組合全体の動きになりにくいのが実情です。

しかし、この時点で管理組合主導の対応ができるようになれば、修繕積立金の見直しなどの早期化も可能となりますし、一度、慣れてしまうと、後から習慣を変えることはどうしても難しいことから、活発な管理組合としてのカラーも維持しやすいという大きなメリットもあります。

 

次は、アフターサービス絡みでアドバザー導入した方が良いタイミングとして、10年のアフターサービス期間終了前のタイミングです。

このタイミングを逃すと、明確な欠陥の証拠があってすら、デベロッパーや施工会社の対応は悪くなります。

受けることができたはずの補修があったなどということがないようにすることが望ましいのですが、多くの管理組合では、この時点までは、開発会社や管理会社と大きなトラブルが生じず、静かに保証期間が過ぎてしまい、大規模修繕工事を実施するタイミングあたりで問題が顕在化するケースが散見されます。

 

財政面から

財政面から導入が検討されるのは、まず、管理費が赤字になるタイミングです。

管理費が赤字となってしまうケースには、管理費会計に組み込まれている駐車場使用料収入不足、共用部電気料金の大幅な試算ミス、最近では消費税増税による管理費会計の赤字化などがありました。

管理費を値上げせざるをえないような状態になってすら、アドバイザー導入のハードル高さから、管理会社とのみ交渉するケースがほとんどです。

普通に考えて、支出を減らそうとするタイミングでコストがかかる専門家導入をすることは、逆の対応ともいえますから、当然の反応でもありますが、正直、管理仕様の見直しを含め適正化をしっかりと行えば、財政再建はよりスムーズに進むタイミングでもあります。

難しいタイミングではありますが、管理会社との信頼関係の明確な破綻などのきっかけがある場合には、アドバイザー導入を検討されることをお勧めします。

 

次に導入検討されるタイミングとしては、修繕積立金の初改定時です。

しかし、このタイミングでもなかなか専門家を導入するというところまでは行きません。

理由としては、管理費赤字のタイミングと同様ですが、目先のコスト(長期修繕計画書の見直し費用など)を増やしてしまう子で、専門家導入は難しいところです。

 

これ以降も、大規模修繕工事などで多くの支出発生するタイミングで導入検討が行われますが、技術面からのみ専門家導入を検討し、修繕積立金が大幅に不足するような事態にでもならない限り、財政面からの検討にまでは至らないケースがほとんどです。

しかし、大規模修繕工事という巨額の支出が目の前に現れることから、初回の大規模修繕工事検討のタイミングが、最も専門家を導入しやすいタイミングです。

なお、この後、建築と設備の大規模修繕工事の実施時期が重なる、第2回、第3回目の大規模修繕時に財政的にも厳しい時期が訪れますが、入居して24年、36年が経過した段階での居住者の平均年齢を考えれば、その時点での修繕積立金の値上げが厳しいことは、言うまでもないことだと思います。

 

技術面から

この面では管理会社が紹介するケースなどもあり、この面での導入が比較的ハードルが低いと感じています。

その導入タイミングとしては、上記のアフターサービス関連や大規模修繕工事の双方が考えられます。

ただ、管理会社紹介の専門家は、第三者性に疑問があります。

管理会社からの紹介されるすべての業者に問題があるとまでは考えてはいません。

しかし、大規模修繕など工事中に、開発会社や管理会社に都合の悪い事実が発覚したとして、それが普段目につかない場所や専門家でないとわからない箇所であったとすれば、その情報が管理組合に適切に開示されると考えられますでしょうか?

 

建築技術の専門家こそ、明白な利害が生じやすい関係にあることから、より強く第三者性が求められるべきと考えます。

ところが、建築技術の専門家である修繕関係の設計事務所は、マーケットの狭さもあり、とても数が少ないのです。

しかも、多くの設計事務所は管理会社と接点があります。

その導入に関しては、施工実績などを通じて、慎重に見極める必要があると考えています。

 

まとめ

現行の管理に対して、疑問点や不信がある場合には、このようなタイミングを活用して、管理組合活動の改革を目指されていかがでしょうか?