A Written Oath

湘南藤沢の開業税理士・マンション管理士・社会人大学生のブログです

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マンション管理管理見直し

分譲マンション管理会社の必要性について

一昨日(2016.1.6)昨日(2016.1.7)と『分譲マンション管理を俯瞰してみる』と銘打って、業界の全体像を捉え直そうと記事化してみました。

過去から書き続けているマンション管理に関する話題では、管理会社の良くない側面を中心に書いてきましたが、元管理会社勤務の社員として管理会社「全否定」なのかと問われれば、そんなことはありません。

 

むしろ、管理会社は「必要」です。

別に、「必要悪」などと言いたいわけではありません。

管理会社に依存して「丸投げ」してしまっているような状態と、その管理組合側の事情につけ込み、人の財布の中に手を突っ込んで収益を上げようとする管理会社に対してのみ、批判的でありたいと思っているのです。

今日は、分譲マンション管理会社の必要性を中心にまとめてみたいと思います。

 

なぜ管理会社は必要か?

圧倒的少数派ではありますが、管理会社に委託せず、居住者のみで管理運営している「自主管理」のマンションも存在します。

首都圏では、選択的に自主管理を行っているマンションもあるとは思いますが、地方の築年の古いマンションには、任せられる管理会社自体がほとんど存在していなかったこともあり、選ぶことすらできずに自主管理となっている管理組合が、かなり存在していると聴いています。

また、一昔前と違い、マンション管理に関する知識も一般化しつつあり、勉強すればそれなりに運営することは可能だと思われる方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、多くのマンション居住者は、勤めがあったり、事業を営んでいたり、マンション管理の仕事を積極的にやれるような環境にはなく、お金を払ってでも、管理会社にやってもらった方が良いとお考えかと思います。

また、費用や時間だけの問題ではなく、次の要素から、管理会社への委託には必要性や優位性があると、私は考えます。

 

出納業務は管理会社にやってもらいたい

実際、マンション管理会社の重要な機能の一つに、通帳を預かり、入出金を代行する「出納業務」があります。

修繕積立金は、小規模のマンションでも1,000万円はゆうに超えて積み立てられます。

ちょっと規模が大きいマンションでは「億」を超えます。

万一、何かがあると、個人が簡単に弁済できるような額ではありません。

加えて、しっかりとした対応をしてもらえることが前提ですが、未収金督促は、個人のプライバシーなどにも絡みますので、第三者に委託したい業務です。

そのため、会計業務なら専門職ですので有り難く承りますが、「会計にも、マンション管理にも明るいから、管理会社の代わりに出納業務もやってよ」と頼まれても、基本、断ります(笑)

 

24時間の緊急対応業務

私は、管理業務主任者の資格がありますので、登録して「マンション管理業者」として事業化することも不可能ではありません。

しかし、通帳を預かり、実施する出納業務だけに限らず、現在のマンション管理業務では、24時間の遠隔監視業務が一般化していますので、やりません(笑)

おおむね警備会社に再委託しており、ほとんどの緊急対応はそこで完了するのですが、一部、どうしても担当者が判断しなければならないことが起こります。

もちろん、10棟ぐらいまでの管理数であれば、そうそう連絡が来ることはありません。

しかし、立地や設備によっては度々緊急連絡が来るような事態がありえますし、仮に一棟だけであったとしても、その連絡がいつ来るかはわからない上に、時や場所を選ばず、緊急連絡や判断を求められてしまいます。

 

そんな特殊なことばかり起こるわけではありませんので、可能か、不可能かと言われれば、自主管理でも、多少のノウハウがあれば、実施することは可能です。

また、大家という立場であることも手伝ってか、賃貸業においては、自主管理される方もいらっしゃいますが、経験者は別として、正直、個人では請け負いがたい業務です。

この業務においては、一定以上の知見が集まり、また必要に応じ協力業者を動かすことができる影響力を持つ組織である管理会社に少なくない優位性があると考えています。

 

ただ、よくある勘違いで、管理会社は「24時間365日」どんなことにでも緊急対応するわけでも、できるわけでもありません。

契約した、一定の範囲の業務のみを請け負っているだけですので、そこはしっかりと確認すべきところです(大した業務をしないにもかかわらず、内容に比較して高額な委託費となっているケースもあります)

 

管理組合の継続性

自主管理やそれに近い形態で管理組合運営を行っていると、主要なメンバーが抜けてしまった時に、継続性を保てない場合があります。

管理会社も担当者がコロコロ変わってしまったり、保管すべき図書を紛失したりすることもあるため、単純に頼めば安心というわけではありませんが、やはり組織として業務請け負ってもらうことは、建物がある限り継続する管理組合にとって有用だと考えます。

また、「組合員名簿」の保管・更新など、個人情報を一元的に管理することは、自主管理よりも、第三者である管理会社にやってもらいたい業務ではないでしょうか?

 

まとめ

逆に言ってしまえば、これ以外の業務については専門業務に分離して発注し、管理組合でコントロールするという対応も不可能ではありません。

ただ、一括発注にはスケールによるコスト抑制やリスクヘッジのメリットもあり、一部の専門業務以外を、分離発注することはお勧めしていません。

そして、管理会社は「必要」ですが、単純に信頼して「お任せ」すべき相手ではありません。

まずは、信頼して任せられる相手かどうかを見極める必要があります。

もし、専門家の意見がご入用ということでしたら、無料診断を行っていますので、こちらからお申し込みください。

 

追伸

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本当にありがとうございます。

次は、「1年」を目標に毎日更新を継続したいと思います。