4月から都市ガス小売が自由化されましたが
昨年に行われた低圧電力の小売自由化に続き、今年は都市ガスの小売が自由化されました。
昨年の低圧電力の小売自由化に関しては、分譲マンションにおける電気代削減にかなりの影響を与えるものであったり、一般家庭でも新電力を導入することなどにより電気代を削減できるものであったりしたことから、けっこう記事を書きました。
そのため、今年の都市ガスの小売自由化にも着目していましたが、予想の範囲内ではありつつも、低圧電力の小売自由化よりもインパクトのあるものではありませんでした。
電力のような一括受ガスはありません
電力においては、昨年春の自由化前から可能でしたが、分譲マンションのような大きな需要がある供給場所には一括受電という方法で、電気代を削減する方法があります。
様々なメリット・デメリットがある上に、導入ハードルの高さ(全員一致の決議が必要)などから賛否のある管理費削減手法ですが、管理会社への管理委託費の次に大きな支出項目であることが多い電気代を大きく削減できる手法であるから、大規模マンションでは、根強くこの手法導入への関心が高い傾向があります。
この春から都市ガス自由化についてもこの電力で行える一括需給ようなの制度導入が期待されていたのですが、これは実現しませんでした。
一応、この制度検討が行われた際の「電力・ガス取引監視等委員会事務局の考え方」の資料からすると、この一括受ガス制度に関しては自由化後の動向を見極めながら、引き続き検討するということになっていますが、導入されるかどうかは未知数の状況です。
都市ガスの供給先を変更しても削減割合は数%
残念ながら、街中で大きな広告を見かける割には、ガス供給業者を変更してもそれほど大きな価格メリットはありません。
このことに関しては、昨年行った電力自由化EXPOの特別講演会においても同様の話でした。
都市ガスの小売自由化に関しては、制度としては自由化されても、保安規制やガスの安定供給といった面からからすれば、市場としての自由度はそれほど大きくなく、一足飛びに携帯における格安SIMのような状況にはならないようです。
まとめ
このような状況であることから、ガスの自由化に関して、価格などについてはまだ大きな期待をできるような状況ではありません。
ただ、全く選択の余地のなかったこの分野に多少なりとも競争原理が導入されたことによって、利用者にとってより良い市場環境になって欲しいと考えています。