熊本地震でマンションが受けた被害(第2報)

5月に熊本地震によるマンションが受けた被害に関して記事にしました。

購読しているマンション管理新聞で気づいたのですが、6月14日付で、第2報が管理会社の業界団体である(一社)マンション管理業協会より出されていました。

 

大破したマンションは第2報でも1棟のみ

前回の記事でも書きましたが、この調査は、マンション管理業協会の会員が受託してる物件のみの集計です。

また、アンケート回答に対する集計でしかありませんので、あくまで速報値として参考程度のものとお考えください。

今回の集計では、会員数の増減があったためか母数が若干減少(7,610棟→7,473棟)し、加えて回答数が増加したため、回答率が前回の78%から、92.6%に増加しています。

そして、その内訳は、次の通りです。

前回:大破が1棟(0.02%)、中破5棟(0.08%)、小破151棟(2.53%)、軽微53棟(0.89%)、被害なし5,763棟(96.48%)

第2報:大破が1棟(0.01%)、中破65棟(0.94%)、小破423棟(6.11%)、軽微172棟(2.48%)、被害なし6,265棟(90.46%)

 

中破・小破したマンションが大幅に増加

並べてみれば、一目瞭然ですが、後から被害が判明するなどしたためか、中破・小破を受けたマンションが増加しています。

被害がない、もしくは少ない管理組合からの回答は難しくありませんが、被害が大きいとその実態把握のために回答を早くすることは難しいはずです。

そのため、まだ未回答管理組合が7.4%(547棟、うち熊本県内6棟)もあることから、今後さらに大きな被害を受けた管理組合からの報告がある可能性は否定できません。

 

大きな被害を受けたマンションの数は、東日本大震災時を上回りました

東日本大震災時のマンション建物本体被害は、大破は0棟、中破は44棟(0.09%)、小破は1,184棟(2.55%)、軽微・損傷なし45,137棟(97.36%)でした(高層住宅管理業協会(現:マンション管理業協会)『東日本大震災の被災状況について(続報)』、2011年9月21日より引用)

単純な数の上での比較では、大破・中破被災したマンションの数は、今回の熊本地震が、東日本大震災時を上回りました。

 

今回の調査報告では、竣工年別の集計も行われています

細かいところは調査報告書をご確認いただきたいのですが、少なくとも大破したマンションは昭和56年以前の建物であったことから、「新耐震」と呼ばれる基準になる前の建物でした。

築年数「未回答」のマンションもかなり含まれていることから、まだ傾向分析を行える段階にはないと思われますが、今後集計が進めば、耐震基準の違いから見た被害状況を把握することができると思われます。

 

被災後の復旧に関して

このほか、震災被害復旧に関して、参考となるデータには、阪神淡路大震災のものがあります。

阪神淡路大震災時の被害については、東京カンテイが次の通り調査報告を行ってくれています。

また、東日本大震災後の復旧に関しても、第3次報告として、次のような調査報告があります。

https://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/78survey3rd.pdf

 

まとめ

震災被害に関しては、この他にも「罹災証明書に関するもの」や「損害保険に関するもの」など様々な論点があります。

ここでは、それぞれの違いや課題・問題点までは踏み込まず、あくまで、「日本建築学会の基準」をベースにした「速報値」と「過去の参考データ」として、ご活用いただければと考えます。