マンション管理士賠償責任保険について
マンション管理士会入会後、加入について検討しています。
理由は2つあります。
一つは、お客様から加入について質問を受けたことがあり、加入している方が安心感があるのかもしれないと考えたことです。
もう一つは、マンション管理士が診断を行うことによってその保険料が変わる「マンションドクター火災保険」の診断を行うためには、この賠償責任保険の一定額以上の付保が条件となっていることです。
マンション管理士賠償責任保険
専門職賠償責任保険です。
税理士で言えば、税理士職業賠償責任保険ですね。
日本マンション管理士会連合会が損害保険ジャパン日本興亜と提携し、平成23年より提供されています。
マンション管理士会は税理士会のように強制加入ではないのですが、この賠償責任保険は、管理士会に入会していないと保険付保できない商品となっています。
そのため、これまでは保険をかけていませんでした。
マンションドクター火災保険
上記の理由以外にも、基本的には請負契約ではないマンション管理士としての顧問業に関連して、賠償責任が発生するような事故は考えにくい等の理由もあったのですが、このマンションドクター火災保険に関連してその賠償責任保険付保の必要性が具体的に出てきました。
この保険は日新火災が日本マンション管理士連合会と提携して開発した商品で、「マンション管理適正化診断サービス」を受けることにより、その保険料が決定される仕組みになっています。
良好な管理をしているマンションでは保険事故率が低くなるから、保険料を安くできるとの保険設計になっています。
実際のところ、分譲マンションで発生する保険事故の多くは漏水事故なのです。
そのため、事故が発生要因として、単なる偶発性以外にも建物状態など保険事故率を左右する要素がありえます。
今までの保険は、簡便性を優先し、築年や立地、建物構造などによる簡単な一律評価しか行っていなかったため、どれほどメンテされていてもその良さが保険料に反映されることがありませんでした。
この部分に優位性がある保険商品だと言えると考えています。
マンション管理適正化診断サービス
マンションドクター火災保険を付保するためには、このサービスを受け、評価を受ける必要があります。
そして、このサービスは日本マンション管理士連合会が実施しています。
もちろん、連合会は窓口としてこの診断サービスの受付をするのみで、その具体的な業務自体は、各都道府県管理士会に割り振られ、会員のマンション管理士がその業務を実施します。
そして、会員がこの業務を請け負うにあたり、賠償責任保険の付保が条件とされているのです。
これは実務ベースで理解できます。
この業務は請負業務であり、依頼目的の達成に対し、なんからの賠償責任が生じる可能性がありえます。
そこを保険でカバーしようとしているのです。
まとめ
私はマンションドクター火災保険を特にお勧めしているわけではありませんが、この保険が最適となる管理組合もありえます。
特に高経年マンションで、しっかりとした管理・メンテナンスを行っている管理組合ほどメリットが出やすい商品だと考えています。
その際に、この診断サービスを私自身でできないとその見極めができません。
この流れから、賠償責任保険の付保について検討しています。
ただ、それぞれのマンションの状況により適切な保険は変わりますので、これも選択肢の一つに過ぎません。
管理組合における保険付保については、的確・公平に比較した上で、その組合にとって適切な保険を選ぶことがポイントで、マンション管理士としては、そのために必要な情報をシンプルに分かりやすく提供することが重要だと考えています。