10月度のマンション管理士会「法務研究会」に出席してきました
昨日(2016.10.24)は、10月度の法務研究会でした。
先月は会場に着いた時、周りはまだ明るかったはずなのですが、昨日はもう真っ暗で、肌寒い1日でした。
季節の変わり目で、周囲で風邪をひく人も多く、気をつけたい今日この頃です。
今月のテーマは民泊
民泊については、この業界では今流行りの話題ですから、法務研究会としても取り上げないわけにはいかなかったようです。
私もこの辺りは禁止、容認双方の立場での考え方が知りたくて、セミナーなどに出席し、学んでいます。
今回のテーマ発表者は、一級建築士でもある木村誠司先生です。
ワードで13ページにも及ぶ資料で民泊の現状についてご解説いただけました。
その後、出席委員から意見が出され、ディスカッションが行われました。
また、弁護士の土屋賢司先生からもご意見が聴け、学びの多い研究会でした。
完璧を目指す必要はない
いろいろ話がありましたが、専門家としては、今年6月に閣議決定された平成28年度中の「民泊サービスに関する新たな法案提出」を待つ必要があるとの話に落ち着いたように感じました。
もちろん、民泊を規制、もしくは禁止したい場合には、手をこまねき、口をあけて待っている必要がありません。
特に立地的な利便性が高く、マンションにおける違法民泊が狙われやすいマンションでは、抑止効果を狙って、先手(規約改正など)を打って、対策しておくことには大きな意義があります。
ただ、対処を行おうにも現状は、「民泊」と呼ばれる住宅に不特定多数者を宿泊(賃貸等)させて収益を獲得させるための手法には、法的には様々な形態が考えられ、定義があいまいな対策では穴を突かれやすいという問題点があります。
私がいま勉強している税法は、まさにその好例です。
定義があいまいなところや、一律に規制しにくい部分の穴が常に狙われ、争いになっています。
そのため、完璧ではないながらも、一つ一つできることを実施し、その影響などを見ながら、次の手を打つというスタンスで立法されているように感じています。
大切なことは意識共有
以前にも記事にした通り、決められたルールを無視して、周りに迷惑をかける違法民泊は許せませんが、私は一律に民泊を規制したい派ではありません。
大切なことは、マンション住民の意識を共有しておくことです。
問題がどこにあり、どうして規制、もしくは実施したいのか、そこがあやふやだと意思統一が難しくなります。
その上で重要になるのが、意思統一するためのプロセスです。
規模が大きくなるほど、様々な生活スタイルや価値観の区分所有者で管理組合は構成されますので、その意思統一の手法が管理組合運営の将来を大きく左右すると考えています。
少数意見だからといって、簡単に切り捨ててしまっては将来に禍根を残しますし、逆に一人のみの反対意見にとらわれて、管理組合の事業を滞らせてしまっては、全体利益を守れないことも起こりえます。
このバランスをどのようにとるのかについて、大規模マンションほど模索している気がします。
「正しいことをやるときほど丁寧に仕事を進めるよう」に、昔の上司からアドバイスされたことには、このような意味があると思っています。
まとめ
入会初年度で、かつ、出席者中、一番に近い若輩だと思うのですが、来月は、私が研究発表というびっくりの展開です。
まぁ、肩ひじを張らず、大学院での発表のように失敗も勉強と思って、来月の研究会に臨みたいと考えています。