11月度のマンション管理士会「法務研究会」で発表してきました
昨日(2016.11.28)は、夕方から所属している神奈川県マンション管理士会の11月度法務研究会がありました。
先月までは出席し、発表者の話を聞き、ディスカッションに参加するのみで気楽でした。
しかし、今回は私が発表者という気楽では済まないポジションでの出席となり、久々に重めのプレッシャーを感じる会合となりました。
発表のきっかけは、今年3月に管理規約の改正に伴って行われた「マンション標準管理委託契約書」の改正に関して、研究会の井上座長から研究発表して欲しいとのご依頼でした。
私以外にも発表に適した方はいらっしゃると思うのですが、日頃から「アウトプットは大切です」といいつつ、自らがその機会を避けては有言不実行になってしまいます。
厳しいタイムスケジュールでしたが、自分の経験と手持ち資料から研究会のテーマに沿って加工し、発表資料にしてみました。
マンション標準管理委託契約書の改正
以前、パブリックコメントが募集されていたことを記事にしています。
この改正は、マンション標準管理規約の改正内容に合わせたものだけで、それ以外に変更点はありません。
そのため、その内容に大きな変更はありませんでした。
すると、発表といっても一瞬で終わってしまいます。
ただ、この契約書の内容そのものについて詳しい方は、実は多くありません。
私が昨年参加した『活躍できるマンション管理士養成塾』の馬渕先生や、今年に入ってから事務所にお邪魔した株式会社CIPの須藤社長のように、管理会社の競争入札を行っているようなマンション管理士を除くと、契約内容や仕様の詳細をしっかりと理解している人はそれほど多くはないのです。
なぜなら、法規の知識ではなく、どちらかといえば現場知識になるからです。
どちらかといえば、これは場数を踏まないと理解することも覚えることも難しいもののため、単純にマンション管理士だからといっても詳しいとはいえない種類の知識、もしくはスキルになります。
この現場知識を中心に話をすると、むしろ管理運営研究会的内容になってしまうため、法務研究会の趣旨とは違う話になってしまいます。
そこで、今回はあくまで法務的な観点に絞って、この契約書の制定・改正の沿革と、法的な位置付け・立て付けを中心に発表しました。
なお、管理委託契約の内容に関してご興味がある方は、以前フロント担当者ポジションからみた要点を次の記事にまとめています。
立場で変わる
今回の改正は、「既存住宅の流通促進やマンションの資産価値の向上に資するため」とされています。
したがって、管理運営を続けていくサイドではなく、売買をして、そのマンションから離れる人のためといえます。
もちろん、マンションのそのものの資産価値が上がることは悪いことではないはずです。
ただし、そのマンションが終の棲家だとすれば、相続する人には価値がありますが、住んでいる本人にとっては固定資産税他の資産税の値上がりともいえます。
見る視点が変われば、その意義も変わるため、一つの視点からだけで話すことは難しいのですが、住み続けている人からすれば、ほぼ意識されていない内容です。
実際、ほぼ売買実務を行う仲介宅建業者と管理会社しか把握していないと考えられますので、特にマンション管理士だからといって詳しく知っておく必要はないと考えています。
ただ、一般に管理委託契約書は管理規約と緊密に繋がっていますので、その法的な位置付けぐらいは最低限お伝えできればと考え、発表しています。
まとめ
研究会後にしっかりとフィードバックも頂け、アウトプットは本当に一番勉強になりました。
ただ、単に知っていることを発表するということだけではなく、より伝わる内容や資料にできれば、なおよかったと思っています。
今回は同じマンション管理士でしかも研究会に出てくるという方向けでしたが、次はマンションに住まう人向けにバージョンアップしていければと考えています。