1月度のマンション管理士会「法務研究会」に出席してきました
昨晩(2017.1.23)、今年初の法務研究会に出席してきました、
法務研究会に限らず、昨年出席した神奈川県マンション管理士会の各研究会での発表は、皆さん力作のレジュメ&発表で、時事問題をはじめてとして幅広いテーマに関して、基礎から学べる、または学び直せることから、とても勉強になりました。
今年も研究会で様々なことを学べることを楽しみしています。
今年初のテーマは「善良な管理者の注意義務に関する考察」
発表者は、法務研究会副座長の須賀一郎先生でした。
俗にいう、「善管注意義務」に関しては、管理事務上、よく口にも、耳にもしました。
ただ、法学部を出たわけでもない私は、各種テキストに出てくるこの言葉を知っている程度で、正確にその中身をわかっているわけではありませんでした。
もちろん、全く知らないというわけではありません。
実務上では、具体的な事例ごとにどの程度のことが、その「義務に違反するのか?」ということには頭を悩ませていました。
しかし、この義務は、一般論にすると、途端に抽象論になってしまい、なかなか具体的な話につながりません。
そのため、一言では説明するのが難しいのです。
今回の発表は、この難しいテーマに対して、マンション管理の視点から考察した発表でした。
改めて、このように個別的に検討することはなかったことから、私としては、関係法令との関係性など知識を整理できる、とても有難い発表でした。
発表者同士で意識しあうからレベルが高くなる
別に、何か特別なランキングを争っているわけではありません。
しかし、昨年私が発表した時にも感じましたが、毎回レベル高い発表が行われ、そこに学びがあると、それに見合うだけのものを返したいと感じるのが人情です。
そして、それは一直線ではないかもしれませんが、発表が続くに従って、少しずつレベルアップしてきます。
あまりにレベルが高くなりすぎて、発表が大変になりすぎ、発表者がいなくなってしまう事態が懸念されるほどのレベルになりつつあるように思うぐらいです。
裏返していえば、そのような発表があるという事実が、次の発表のレベルを底上げしていると感じています。
ただ、専門家同士の研究会ですから、この意味で低いレベルの発表をしあう必要はないとは思いつつも、その反面、一般の相談者から問われることがあまりなさそうな小難しいことばかり知っておく必要もないと考えています。
私自身ができていない反省の意味で書いていますが、専門家は知っていることをわかりやすく説明できることも身につけるべきスキルのはずです。
専門家同士、わかる人たちだけで話し合っていても、職業専門家としては、どうでしょうか?
この意味において、もっと基本的な論点をわかりやすくする方向から研究発表するというのも、個人的には有りな方向性だと思っています(と書くと、「発表しろ!」といわれそうですが:苦笑)
学びの方向性について
今回のテーマは、どちらかというと専門家向けのテーマだったように思います。
職業専門家の研究会テーマとして、そうあることは、むしろ当然とも考えますが、前段での話のように、分かりやすく相手に説明すること、できることも、我々職業専門家として学ぶべきことと考えています。
ただ、この方向性のテーマは、専門家同士で話すと、議論が錯綜しがちです。
これは、学説や判例のような議論をするための共通のツールがない場合、筋立ててロジカルに議論することが、とても難しくなるからです。
この意味で、勉強になったのは、昨年、社会人大学院で受講した「MBA Essentials」の講義でした。
この講義では、共通したビジネス用語を用いることで、共通の基盤を持たないもの同士でも、ビジネスの視点からは同じ土俵で議論を戦わせられるディベートの進め方について学びました。
ところが、この意味において、非営利組織であるマンション管理に関しては、マンション管理士同士、共通の基盤を持てていないと感じています。
ベースとしては、非営利組織に対する研究会ですから、そもそも持つ必要もないとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私はこのマンション管理組合は、共同の財産管理団体として、一般営利企業ほどではないとしても、一定の営利性を持っていると考えています。
この立場からは、ビジネスベースの話を避けて通ることはできないのではないかと考えます。
もちろん、一方的に営利団体と同じように考えるべきという話ではありません。
個人的な考えではありますが、この部分の共通認識が欠けていると、同じテーマを話しているようで、実は全然違う話をしているということが起こっていると感じています。
今回のこの話は私見でしかありませんし、私の中でもまだ固まっているわけでもありません。
研究会としても、特に決まりがあるわけではないようですから、あんまりお固くやるよりも、むしろ方向性を特定しない現行のままの方が良いのかもしれません。
まとめ
まだまだ模索中のため、まとまりのない話になってしまいましたが、今年はこの部分を力を入れていきたいと考えています。
また、修士論文でもわかりやすく伝えることは重要なテーマですし、自主開催のセミナーにおいてもこの辺りを心がけ、内容を煮詰めていきたいと思っています。