マンション標準管理規約(単棟型)が改正されました
昨日(2016.3.14)、国交省の報道案内として、マンション管理士会よりメール連絡がありました。
今回、「マンション標準管理規約」の改正とともに、「マンションの管理の適正化に関する指針」も改正されています。
マンション標準管理規約
国土交通省の住宅局長より通知されている「区分所有者間で定めるマンションの管理ルールの標準モデル」です。
一般の企業が会社法という法律に基づく存在であるように、分譲マンションの管理組合は、区分所有法という法律をその根拠としています。
区分所有法では、その規定と異なる定めをすることができない強行規定と呼ばれる部分を除き、「規約で定めることができる」こととなっています。
マンション標準管理規約は、分譲マンションにおけるこの「規約」の標準モデルであり、一部デベロッパーによる個性があるものの業界でのデファクトスタンダードとなっています。
実際、これ以外に指針となるようなものがないため、改正に対して管理組合はかなりの影響を受けます。
改正点を自らのマンションの管理規約に反映させるかどうかなど、意識が高い管理組合ほど早い段階で改正点導入の検討が始まると思われます。
マンションの管理の適正化に関する指針
平成12年に制定された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」)」の第三条に基づいて公表された国土交通省からの告示です。
「この方向性に向かってマンション管理を改善していきますよ」という掛け声的なものですが、やはり管理組合運営の方向付けに少なくない影響があるものです。
国の指針と違うことをしようという決議を通すことは難しいはずです。
この指針に則る形で管理組合運営を検討することが基本になると言えます。
コミュニティ条項は「再整理」となりました
先日も記事にした管理規約内にあった「コミュニティ条項」の課題は、「再整理」とされました。
これは、建物の維持管理が主目的であり、強制加入団体である管理組合と、任意加入で地域コミュニティの地縁団体である自治会・町内会とは、性格が異なる団体であることから、双方の活動を混同させないため、「再整理」することとしたようです。
結論、管理組合活動として、コミュニティを活発化させるための支出は認められますが、任意加入であるはずの自治会費などを管理費として強制徴収してはいけないこととして再整理されています。
異論もあるとは思いますが、コミュニティ活動のための費用が全く認められないとなると実情に即していませんでしたので、この再整理は普通に理解できる範囲に落ち着いたという印象です。
まとめ
改正の詳細はまだこれからの読込みとなりますが、少子高齢化社会に向け、マンション管理業界も変化しつつあると感じる改正になっていると感じています。
高経年のマンションが増えるに従って、この改正が活用されることになると考えています。