分譲マンションの資産価値について(概要)

分譲マンションの価値に関しては、馬渕裕嘉志先生のプレゼンテーションにおいても度々登場することから、『活躍できるマンション管理士養成塾』での講義を受講しながら、その内容について色々考えていました。

物の価値は人によって、変わります。

しかし、税務上や、取引上では、大きく違ってしまうと不都合が生じるため、それぞれに目安があります。

ただ、経済的な価値をあまりに大きくクローズアップしてしまうと、「生活上の価値」が矮小化されてしまいます。

私自身も分譲マンションを所有しており、その価値をどのように捉えているかについて、現時点での考えを、書きながらまとめて行きたいと思っています。

ただ、考えていて長くなったため、本日は、まず概要です。

 

分譲マンションの3つの価値

まず、分譲マンションの資産価値について、よく言われる3つの側面を簡単に解説します。

 

資産上の価値(貸す・金融機関より借りる)

これは、資産(財産)として持っている上での価値です。

税務上は、一定の評価基準に基づいて、税額を決定しており、金融機関からは評価を受け、担保に供することによって、お金を借りられます。

また、賃貸需要があるエリアであれば、賃料収入を得ることもできます。

 

取引上の価値(売る)

市場価値とも言え、売買した時の価値(時価)ですね。

これは、市場動向だけに限らず、大きく変動します。

一般的に新築の分譲マンションは開発会社の利益が上乗せされていることから、買った時点から3割は下がると言われています。

そこから、時の経過とともに、近隣相場とのすり合わせが行われていき、国が行った調査結果などから、16年から20年ぐらいで価格が落ち着いてくると言われています。

 

生活上の価値(住む)

この価値は、周辺環境や利便性など、生活拠点をそこに置くことによって生じるものと言えると思います。

「今ではかなり珍しくなった郊外型の新興開発住宅地」や「昨今マンション節税と噂になり、国税庁から規制が入るタワーマンション」のような、例外的な物件を除いて、一般的な中小規模マンションは、購入者の7割ぐらいが地元の住み替えと言われていました。

「生まれ育った環境」や「住み慣れた環境」を変えることは、通常は難しいのです。

この他、分譲マンションが購入される要素として、昔は「学区」がありました。

当然、子供を良い学校に通わせたいと思うのは、親としては当たり前の気持ちです。

今では学区は廃止されていますが、地方出身者が子供を有名進学校やお嬢様学校に通わせるため、分譲マンションを賃貸するのみならず、買ってしまうことは、今でもそれなりに聴く話です。

このため、資産や取引としての価値以上に、この生活上の価値も、居住用として購入される一般の分譲マンションでは重視されている要素だと考えています。

 

会計上の「資産」とは

ここで改めて会計上の価値を押さえておくと、「貨幣価値に置き換えることができ、かつ、将来的に収益をもたらすことが期待されている経済的価値のこと」です。

したがって、「生活上の価値」は、貨幣価値に置き換えることが難しいため、当然、会計上の資産とはなりません。

 

「価値」について

「生活上の価値」は、個々によってかなり異なるため、一般的な貨幣価値に置き換えることは難しいと言えます。

しかし、そこに価値はないのでしょうか?

もちろん、そうではないはずです。

辞書での定義だと、抽象化しすぎてピンとこないのですが、Google検索で出てくる「どれくらい大切か、またどれくらい役に立つかという程度」という表現には、私はシンプルに納得できました。

「生活上の価値」として、子供も家庭生活もプライスレスです。

しかし、分譲マンションにおける資産価値として、個人的な「生活上の価値」は、共同生活の上で理解を求めることはできるとは思いますが、「会計上の資産(共同の財産に対する価値)」と比較すると少し弱い話かもしれません。

そのため、この「価値」の共有化が、ひいては、「どのようなマンションにしたいのか?」ということが、これからの管理組合にとって重要だと考えています。

非営利組織の経営マンション管理におけるヴィジョンとミッションについて
昨日(2016.2.8)は、「管理組合運営における経営「的」視点の必要性」について、記事化しました。 この記事中、その必要性に触...

 

概要のまとめ

まずは、ざっくりと用語の定義から入りました。

次回以降は、このそれぞれ価値の詳細について、書いていきたいと思っています。