業界の寡占化が進んでいます
マンション管理新聞の記事(2017年4月5日、第1035号)からですが、東京建物が西新サービスを連結子会社化したようです。
目的はスケールメリットを生かした管理サービスの向上と、グループの管理事業拡大が目的のようです。
以前にも記事にしていますが、このような形でマンション管理会社の寡占化が進んでいます。
スケールメリットはあるかもしれませんが
確かに規模のメリットはあります。
むしろ、一定以上の規模がないとシステム化や効率化のための投資余力がでないことから、業界のこの流れは変わらないものと考えています。
また、高価格帯の分譲マンションにおいては、ブランド力は無視できない要素であることから、大手不動産企業グループによる寡占化が進むことには不思議はありません。
ブランド毀損は起こっていないのか?
同じ業種での合併であることから、ブランドが希釈化するというイメージはそれほどありません。
既存の顧客からすれば、規模が大きくなることで、スケールメリット期待できると感じるでしょうし、企業規模に対する安心感は少なからずあります。
ただ、今回買収した西新サービス、つい先日のマンション管理新聞の記事にもあった通り、元社員が着服・不正を行い、今年の2月16日に国土交通省関東地方整備局から指示処分を受けばかりの企業です。
私見ながら、この合併でブランド価値が保たれ、価値が上がるイメージがわきません。
そして、この状況で買収が進んでしまうこの業界に、顧客志向との乖離を痛感します。
残念ながら身近な感覚に置き換えにくい難しさがある
この週末受講したばかりの大学院の講義で教えていただいたばかりですが、この情報過多の時代、なかなかメッセージが伝わりにくい状況があります。
日常品など自らの体験に直結するような事柄であれば、まだイメージがしやすく、その危機感を感じやすいと思います。
しかし、マンション管理のような身近でないことをイメージすることは相当難しいと思います。
そのため、消費者であるマンション所有者はなかなかその危機感を感じられませんし、管理会社サイドもそう認識しています。
だからこそ、今回のような合併が進んでしまっています。
まとめ
危機感ばかり煽っては問題ですが、このようなことが起こっているということについては情報発信を続けたいと考えています。
伝え方に関して、今後も試行錯誤したいと考えていますが、わかりにくい業界であるからこそ伝える努力が重要な業界であると、認識を新たにできたように思っています。