マンション管理組合の数について
週末、名古屋での合同講義中に、大学院の先輩と夕食をご一緒したりしていました。
その際、私と同じく、人格のない社団等を論文のテーマにされている先輩がいらっしゃり、分譲マンション管理組合の数について質問を受けました。
公的な統計資料はありません
正確に分譲マンション管理組合の数を調査している公的な統計資料はおそらくありません。
ただ、手がかりとなる資料が全くないかといえば、そうではありません。
管理組合ではありませんが、分譲マンションの数という意味では、国土交通省のマンションストックがあります。
マンションストック
以前にも記事にした通り、この数は、この統計資料上、定義されているマンション「中高層(3階建て以上)・分譲・共同建で、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート又は鉄骨造の住宅」の戸数です。
この定義は、建築形態としては、一般に想像されるマンションに近いと思われます。
しかし、一部の特殊な形態ながらもテラスハウスや区分所有ビル等の管理組合を含まないことになりますので、すべてのマンション管理組合を網羅しているとまでは言えません。
ただ、ほとんどの管理組合をカバーしていると考えています。
マンション管理業協会の調査
公的な調査とまでは言えませんが、マンション管理業者の業界団体である(一社)マンション管理業協会が、会員向けにアンケート調査を行っています。
マンション管理業者のすべてがこの協会に所属しているわけではありませんし、アンケートも会員のうち、372社の回答でしかありません。
先日(2016.7.15)に国土交通省より発表のあった「マンション管理業者への全国一斉立入検査結果(平成27年度)の概要について」によれば、平成27年度末時点でのマンション管理業の登録業者数は、2,185社とのこと。
アンケートは372社ですので、全体の約17%に過ぎません。
しかし、アンケート結果によれば、この372社でリゾートマンションなども含み5,647,281戸を管理しています。
先ほどのマンションストック数が623.3万戸でしたので、戸数上約9割をこの372社で管理していることになります。
アンケートに答えていない管理会社に管理を委託している管理組合や、管理会社に委託せず自主管理としている管理組合も約1割存在しているとも言えますが、この協会による調査結果から、管理組合数を推定しても大きく外すことはなさそうです。
管理組合数の推定
この前提に立てば、アンケート調査結果の372社が管理を受託している管理組合数は91,356ありました。
戸数に対する管理組合の割合が同じであると仮定すれば、全国に管理組合は100,831あると考えられます。
まとめ
私自身、マンション管理組合を修士論文のテーマに選びましたので、この推定値は、マンション管理組合の存在感を測る上で、役に立つと考え記事にしてみました。
この他、この623.3万戸の所有者、居住者がいるという現実を考えると、この業界は狭いようで、世の中にかなりの影響を与えうる存在になっていると思っています。