簿記・会計はお金と時間のズレを知ること
今日(2018.4.13)は、会計に関する本当に基本的な話です。
簿記や会計は、お金の流れと一定期間の損益のズレを説明するものです。
昨日(2018.4.12)は、社会人大学院でファイナンスの講義を受講したことを記事にしましたが、そこからこの記事を書くことに思い至りました。
基本は大切
知っている人からしたら、当然のお話です。
でも知らない人からしたら退屈な話かもしれませんが、基本は大切です。
会計や簿記の知識は、皆さんそれぞれにとっての必要性から使っているはずです。
例えば、フリーランスや事業者の方であれば、毎日の経理・簿記の必要性から。
私のように税理士を目指した方であれば、アカウンタント職としての必要性と共に税務申告の必要性から。
株式投資をされる方からすれば、四季報やチャートなどを読み、投資判断する必要性からなど。
簿記・会計は、様々な利用・活用がされていると思います。
目的が違えば、利用法・活用法も異なります。
そうすると、会計の本質から外れた話の方がメインとなって、本質の話があまり重要ではなくなってきてしまいます。
現実には、申告をしなければならないからやっているだけ、税金を減らすにはどうするか、儲かる投資をするためにはどうするかなどといった本質から外れた方向性に進みがちです。
ITの活用により減らすことは可能ですが、残念ながら、会計の知識では簿記・会計の作業自体を無くすことはできません。
どうせやらなければならないなら、少しでも得をするように、もしくは、少しでも損をしないように行動した方がいいのではないでしょうか?
税金は主として損をしないため
税金に対してアグレッシブに得をしようとして節税に励み行動すると、実際には手数料など一見してはわからないところでトータルでは損をしているケースが多いと感じます。
節税策の多くは、税金がかかるタイミングをずらす「課税の繰り延べ」という行為にすぎません。
私も大学院で学んでいますので、本当の意味でトータルの税金を減らし、節税となっているケースはもちろんあります。
でも、それはほんの一部だと感じています。
税務を学び、節税策を学べば学ぶほど感じるのは、事前に対策しておけば、税金がかからない仕組みを漏れなく活用することできるようになることです。
この意味において、税金対策は損をしないための行動です。
そうなると、経理・会計上は、税金の支払いが生まれる「時間」のズレを意識することになります。
いつ税金の支払いが発生し、その時に納税資金は足りるのか?
そこに着目するようになり、それを知っていれば知っているほど、効率的なお金の運用ができるようになり、引いては損をしない行動を行うことができるようになると思っています。
そして、究極的には手元資金がなくなってしまっては事業が継続できませんので、お金と時間のズレを意識し、資金繰りに失敗しないリスク管理が、一般論としてのポイントになると考えています。
投資に関してはリスクが主体に
税務では主として今期の利益と税金に着目することになりますが、将来の利益から現在の価値を分析して判断を行う投資に関しては、現在よりも将来に着目することになります。
そのため、ファイナンスでは将来の価値を現在におきかえる分析(正味現在価値:NPV)などが行われます。
ただ、遠く離れた将来のできごとであるほど、不確実性が増します。
すると、お金と時間のズレに加え、リスクという要素が大きくクローズアップされてきます。
したがって、その不確実性を織り込んだ上で、将来儲かるかどうかを判断していくことになります。
そして、結果として、その内容は異なりますが、税務と同じようにリスク分散も含めたリスク管理がポイントになると考えています。
まとめ
概要的な話ですので、フワッとした内容になってしまいましたが、お金と時間のズレを説明するのが会計であれば、その利用法・活用法の究極の姿はリスク管理になると考えます。
しかし、そうすると「そのリスクをどのようにコントロールするのか?」というところが問題となります。
このリスク管理の具体的に手法に関しては、課題ごとに異なります。
そして、その課題ごとへの個別判断の際に、この基本、「時間とお金のズレ」をしっかりと意識しながらする判断と、そうでない判断とでは、どちらより適切かはいうまでもないと考えています。