木村聡子先生の『あなたの1日は27時間になる。』を読了しました!
Amazonで予約し、12日に到着。13日から電車移動時間中に読み進め、昨日読了しました。
著者の税理士 木村聡子先生には、井ノ上陽一先生が発行されているメルマガ『税理士進化論』の第1回のオフ会でお目にかかっています。
やはり、短期間で税理士試験に合格されており、初めてお会いした時は全く存じ上げおらず、大変失礼をしたのですが、ブロガー税理士としても草分け的存在で、有名な方でした。
また、『税理士試験受験4年目』の記事でも書きましたが、税理士試験受験に関してブログ記事を書いておられ、大変参考にさせていただきました(朝2時起きは、さすがに真似しきれませんでしたが・・・)
書評
悪く言えば、よくある仕事術本ですが、木村先生の体験としての仕事術ノウハウが余すところなく書かれており、とても参考になりました。
人によって、響くポイントは当然違うと思うのですが、私には次の部分が特に響きました。
本業を15時までしかない
15時以降はスキルアップの勉強など自己投資や、趣味・休憩の時間に使うとのことでしたが、真面目に見習いたいです。
まず、これを実現するには、本当に自分が抱えている将来の仕事まで把握している必要があります。
そうでないと、ずっと仕事をやり続けてしまうからです。
また、事業がある程度軌道に乗っているからできることと言ってしまえば、簡単ですが、おそらく、事業が軌道に乗っていようと、乗っていまいと、人に仕事を丸投げする以外で、これを実現するのは本当に勇気と努力が必要なことだと考えます。
「できる人」と「整理整頓好き」はまったく違う
逃避行動と仕事効率化の違いを明確化するセンテンスとして書かれていましたが、形は違えど、逃避行動が出てくるため、ここは素直に共感できました。
最近の断捨離ブームも、行き過ぎの感覚が人によって異なりますが、「片付けること」による爽快感が目的になってしまうのは、ちょっとどうなのかなと感じます(もちろん、「気持ちいい、ストレスのない職場」で働くことも重要です)
「1日を27時間にする」と覚悟を決める
自らの行動を改めて、成果を出そうとする心構えについて書かれていました。
ラジカルな行動をすること、人とは違うことをやろうとすることについて、周囲への配慮を持つつも、突き抜けた行動をやってみようする姿勢に、とても共感が持てました。
木村先生ご自身が実践されており、日頃のカープ応援などからも感じます(「突き抜けすぎです」とツッコミたいですが:笑)
マンション管理における仕事術について
ここで終わってしまうとただの書評なので、マンション管理における仕事術について、私の体験も少し書いておきたいと思います。
フロント担当者をやっていた時から、「行動記録を取ること」などにチャレンジしていましたが、うまくいっていませんでした。
理由は、電話や緊急対応などによる中断が多すぎ、また仕事が自分ベースではなく、当然にお客様ベースで進むことから、自分のペースで仕事をすることが難しいことによるものです。
残業当然の職場ですから、周囲もまったくと言っていいほど、配慮がありません。
昇進して役職者になれば、突然、配慮される立場に変わり、いきなりペースを作れるようになったのですが、今度は、会議や打ち合わせが多く、逆に純粋に作業できる時間が圧倒的に減ってしまい、「帰れない病」ではなく、「常に仕事を抱える病」に罹患しました(苦笑)
仕事術自体に対する理解もほとんどなく、会社自体でグループウェアなどを導入していなければ、手帳ベースの管理以上のことは難しいと感じていました。
この状況でも、仕事が早い人は、工数の最小化を狙って、アポイント管理以外は手帳すらほとんど使わず、議事録などへのメモだけで、対応していることが多かったように思います。
ただ、この手法だと仕事の処理が個人ベースとなってしまい、人と共有できないことが、とても問題だと思っていました。
端的に言うと、教えることが下手な人が多いと感じていました(私自身も他人のことを偉そうに言えませんが:笑)
不動産管理業界に限らず、他の業界でも結構そうかもしれませんが、ノウハウは個人のもので、他者には公開せず、職人的な仕事術が横行している業界でした。
これでは、担当者が変わると全く別の管理になってしまいます。
この根っこには、お客様も勝手な方が多く、ほぼ契約書を読んでいない(仕事で慣れている人以外にあれを読んでくださいということ自体がナンセンスなのかもしれませんが・・・)ため、要求も人によってマチマチで、自分の常識・イメージだけでやるべきことを規定する方が多いことにあるのではないかと思っていました。
これでは、会社や個人が標準化を試みても、いい方向に行くイメージができないのです。
よく言えば、お客様優先主義とも言えますが、裏返して言えば、「声の大きい人にだけ対応して、何も言われなければ、何もしない」ということになっていきます。
まとめ
「標準化・画一化されたサービス」と「個別性の強いコンサルティング的なサービス」とを同じ土俵に乗せて話をすること自体には問題があります。
ただ、標準化が有効な部分を抽出し、効率化を進めることで、個別性の強い業務に注力することができるようになる余地は、十分にあると考えます。
それは、お客様も我々も常に変化し続けているからです。
単純な話ではないのかもしれませんが、今後の社会は人工知能が発達し、多くの職種がなくなっていくとすら言われる時代となってきました。
また、なんでも効率化すればいいとも思ってはいません。
しかし、いまや、ブラックボックス化によって、仕事を守る時代ではないと考えます。
本当に注力するべきことに集中するため、標準化や効率化して無くせる手間は減らし、お客様や自分自身を充実することに費やせるようになることは、とても重要なことではないでしょうか?
そのため、私自身も日々努力を続けたいと考えます。