9月度のマンション管理士会「法務研究会」に出席してきました
昨晩(2016.9.26)は、毎月定例で出席している法務研究会でした。
昨日は、ようやく少し晴れ間が見え、気分的にすっきりしましたが、明日の晩の社会人大学院ゼミでの判例研究の準備が間に合っておらず、午前の税理士法人での勤務後は、日中は必死に判例の読み込みと資料作りにかかりきりでした。
夕方からの研究もあり、午前の税理士法人勤務後は、関内「さくらWorks」で作業していました。
テーマは不在居住者対応
発表者は、研究会会員の眞殿先生でした。
居住者不在と一口にいっても、所有者の死亡、行方不明、心神喪失など様々な事情や理由、パターンが考えられます。
そのパターンを類型化し、一つ一つ現状の法律的にはどのように対応できるのかについて研究成果をご発表いただけ、かなり勉強になりました。
しかし、それらの方法は、不可能ではないものの手間やコスト的問題から、実行することがかなり難しいことも併せて発表されました。
したがって、急いで対処しなければならない事情がないのであれば、「債権者の動向をしばらく静観した方がよいケースが多い。」との結論でした。
念のために申し添えると、「静観」と「放置」は別物ですので、静観するとしても、動向を監視する措置についてのフォローが大切です。
家事審判は増加中
分譲マンションの管理に限定した統計資料はほとんどないため、これらのマンション不在居住者を特定した数字は見たことはないのですが、世間一般論として、このような事件は増えているものと想像しています。
また、司法統計によれば、今回の研究会で解説があった財産管理人選任等申立てについては、平成27年度で18,568件の審判事件があり、増加の一途をたどっていることが読み取れます。
市場価値がないと、それも難しい
研究会では、中古市場の活性化について意見が出されました。
確かにそれも一つの対策であり、国も各種検討を通じて、その活性化に取り組んでいます。
しかし、中古市場が活性化したとしても、流通のハードルが下がるだけであり、新たな価値が生まれるわけではありません。
もちろん、何もしないよりは、当然よいことではあります。
ただ、この流通改善の施作ですら、業界団体の様々な利害が絡み、一筋縄では進んでいません。
2012年の提言からスタートし、やっとホームインペクションの具体的な導入が協議されている段階です。
まとめ
抜本的には新築住宅に対する総量規制が必要ではないかと考えています。
しかし、この施策については、さくら事務所の長嶋修先生が提言され、ながらく取り組まれていますが、実現の兆しが全く見られません。
複雑に利害が絡むこの不動産業界で、この改革は必要ではあると思いますが荒療治過ぎ、急激な改革は難しいようです。
そうなれば、現実的な対応としては、現状できることを一つ一つ取り組むしかありません。
私もマンション管理士として、微力ながら、少しでも管理組組合の現状を改善できるよう努めたいと思います。