今年のマンション販売における注目点について
昨日(2016.1.3)は、マンション管理における今年の注目点について書きました。
今日は、マンション販売において、今年注目している点について書いてみたいと思います。
新築マンションでの発売単価の低下と販売在庫数の増加
昨年ついに長らく上昇傾向が続いていた新築マンションの発売単価が低下し始めました。
これは大量供給などがあったわけではなく、新築在庫が純増している傾向からも見ても、明らかに新築マンションが売れにくくなっている兆候を示しています。
ただし、過去のマンション販売が不調になった時と異なり、著しい金融緩和が行われています。
そのため、在庫が積み上がったからすぐ、マンション販売が低調となり、不動産バブルが弾けるという図式には結びつきません。
ただし、全く売れなくなれば、運転資金が続きませんので、新築マンション市況が大きく崩れる可能性がでてきます。
また、新築マンション市場を押し上げていたと思われるタワーマンション節税に関しても、少しブレーキがかかる要素も出てきました。
反面、あまり実感はないもののGDPから見ると、消費が回復傾向にあることもあり、一概に悪くなる可能性だけしかないとはいえません。
ただ、全体的には下げる要素が大きい状況が続いてることから、発売価格の低下が、本格的なダウントレンドにつながるかどうかに注目しています。
中古マンション市況
中古マンション市場においては、東京23区を中心として、販売価格の上昇トレンドが続いています。
その反面、新築マンション以上の勢いで在庫が急増しています。
いまのところ、新築マンションで挙げた理由と同じく、金融緩和により、その在庫増の悪影響は市況に顕在化していないと考えています。
売れる物件と売れない物件の二極化が進むと考えてはいますが、いまのところ販売が大きく伸び悩む要素は見られません。
今年、その兆候がでてくるのかどうかに注目しています。
一棟アパート
一棟もののアパートは、以前にも話題としたように、客観的な数値根拠はありませんが、相続税節税策として多用されているように感じています。
そして、どうやら金融庁・日銀も、富裕層や土地所有者向けのアパートローンが急増していることに対し、実態把握に乗り出しているようです(ロイター、2016.12.12記事)
ただ、急激にブレーキをかけては、消費税増税後、回復基調がようやく見えてきた景気に対し、冷水を浴びせかけるだけです。
慎重な対応が行われることが予想されますが、実際の賃貸需要以上にアパートが建っては、バブル後のような問題になりかねません。
中古市場においても、価格が高値止まりしている状況から、そのメインターゲットが首都圏から地方に移ったり、海外投資家が流入したりしている状況から、予断を許さない状況が続くものと考えています。
まとめ
安定した市況というには程遠い状況になってきたと感じています。
いつまでも永遠に上がり続けるわけではありませんので、その動静に見合ったアドバイスができるよう、マンション市況に関して注視したいと考えています。