ダイヤモンドムック「マンション管理&修繕完全ガイド2017」を読みました
先日(2017.1.31)に、株式会社シーアイピーさんが記事監修された週刊ダイヤモンドについて記事にしました。
そして、日をおかず刊行された、ダイヤモンドモック「わが家の資産価値を上げるマンション管理&修繕完全ガイド2017」も監修されていたことから、こちらも購入し、読ませていただきました。
どちらの本にもおいても、株式会社シーアイピーさんだけではなく、管理組合理事長の団体であるRJC48さんや、この業界で知名度のある著作者の方が取材を受けたり、記事監修をされてたりしていました。
管理組合活動のお手本として参考になります
取材を受けているRJC48の皆さんは、大規模のタワーマンションの理事長・副理事長・代表理事(管理組合法人)さん達であり、大規模なマンションの管理組合活動として、とても参考になります。
タワーマンションは、資産価値も大きいですが、住戸間格差も、とても大きいです。
単純に資産価値のある建物だから、活動しやすいなどということはありません。
むしろ、利害関係の複雑さから考えると、一般のマンションよりも難しいといえます。
シンプルに一般の管理組合活動に応用することは難しい
これだけの規模(プロフィールからみると500戸以上)の管理組合の意思をまとめ上げるわけですから、その活動は少なく見積もっても英雄的です。
取材を受けた皆さんそれぞれのドラマがあったものと拝察されます。
一般のマンションにおいても、能力と機会に恵まれ、このような活動を行える方が中にはいらっしゃると思います。
しかし、多くのマンションでは、この取材事例のようなことを実施するのは難しいでしょう。
ただし、不可能といいたいわけではありません。
また、我々コンサルタント導入すれば良いという単純な自己アピールをしたいわけでもありません。
ただ、どのような形であれ、まずそのマンションの管理組合自身が主体的に活動することが改善の第一歩です。
まずそこがないと、改善は難しいでしょう。
取材・広告記事以外は、管理見直しの教科書です
さすが完全ガイドと銘打つだけあり、取材・広告記事以外については、管理見直しほか管理組合運営に関して幅広く網羅した記事となっており、教科書的なお手本となっています。
管理見直しの全体像を掴むためには、ちょうど良い読みものと感じました。
これだけあれば、十分管理見直しを独自に実施できる方も中にはいらっしゃるかもしれません。
ただ、教科書的に幅広く書いてあるということは、個別的な対応や細かい部分に欠けるところもあります。
また、管理見直しに限らず、管理組合運営はなかなかお手本のようにはいきません。
当然、この本一つあれば大丈夫という話ではなく、各管理組合の実情に応じたカスタマイズが必要になります。
単純に専門家を頼って欲しいわけではありません
前段での話通り、各管理組合の実情に応じたカスタマイズは必要と考えています。
ただし、仮に管理見直しが必要だとして、我々専門家を必ず頼って欲しいというわけではありません。
当然、我々専門家にも活躍し、お手伝いできる部分もあると考えています。
しかし、管理組合が主体となった自律的な活動でない限り、それは管理会社への丸投げと変わりがないと考えています。
確かに中小規模のマンションには難しい課題がある
こうは書きつつも、以前からブログ記事にしている通り、多くの中小規模のマンションにはマンパワーが不足しています。
そのため、理想通りマンション管理組合が自律的に活動することをシンプルに実行することは難しいとも考えています。
この課題を解決するためには、専門家に依頼する以外の解決策の提示が必要です。
正直、この部分は私もまだ手探りです。
高齢化し、役員のなり手不足が深刻化するマンションにも共通する課題で、この問題に関しては、解決に向けた提案ができるよう専門家としての研究を続けたいと考えています。
まとめ
結論、世に知られたダイヤモンドのムック本だけあり、マンション管理の見直しを考える上で、とてもよい本だと感じました。
そして、わかりやすく伝えること、シンプルに伝えることなど、私が課題としている部分について考えさせられるものが多々ありました。
なんでも根拠を出して正確に伝えればよいわけではないですね。
ただ、このブログに関しては、私はマンション管理に携わる専門家にも情報を発信する手段としての位置付けもあります。
今後も、いろいろ試行錯誤しながら、このブログを続けたいと考えます。