マンション管理における今年の注目点について
昨年は、マンション標準管理規約の改正、民泊、電力の小売自由化などマンション管理業界における話題が絶えない一年でした。
私もそれらに関連した記事をかなり書くことになりました。
ガス自由化
昨年年始から春前にかけては、特に電力小売自由化に関する記事を書きました。
今年は、春からはガスについても小売の自由化により、地域独占だったガス販売が自由化されます。
分譲マンションにおいては共用部分でガスを使うことはあまりありませんので、その影響はそれほど大きくはないと考えています。
しかし、東京ガスが行っている電気販売では、都市ガスとセットにすると割引になるサービスを提供しています。
これら複合的なメリットから、限定的な影響になるとは考えられますが、一部の管理組合ではガスの自由化による影響があると想定しています。
民泊
昨年から引き続きの話題ですが、特区民泊に関しては一定の方向性が示されました。
しかし、導入ハードルの高さから、この特区民泊が分譲マンションに導入されるケースよりは、適法ではない民泊業者の横行が懸念されます。
今年だけに限らず、しばらくその動向に注意が必要な問題だと考えています。
個人情報保護法の改正
これも改正が施行され、情報保護委員会からはガイドラインのパブリックコメントが実施されていました。
以前の記事でもまとめたように、今回の改正により、管理組合は適用除外ではなくなり、個人情報保護法の適用を受けるようになりました。
ただし、一定規模以下の中小規模事業者に関しては、一定の配慮が行われてはいます。
しかし、今まで適用範囲外だった管理組合が適用を受けるようになったことだけは間違いありません。
まとめ
マンション管理士会に参加しても感じるのは、分譲マンションの管理組合は素人集団だから事業者ではないという感覚です。
これは、マンション管理士であっても、元・現役の管理組合理事である方が多数いることが影響していると感じています。
しかし、法律上は、管理組合は、原則的には消費者保護法に定義される消費者ではなく、事業者です。
もちろん、取引の内容や実態によっては、事業者が消費者とみなされる場合もあります。
ただ、そこを頼りに素人集団だからと勉強せずに問題を放置したり、専門家への相談などを行わずに判断を行ったりすれば、その責任を相手に転嫁することは難しいはずです。
個人的には、近年の法改正は、その判断や行動の自由度を高める反面、管理組合や管理組合役員に対する責務を重くしていると感じています。
あまり警戒しすぎてもいけませんが、管理組合の運営も、一種の事業経営である以上、経営者としての判断が必要だと考えています。