A Written Oath

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消費税税理士試験

帳簿、請求書等の意義

昨日の「帳簿及び請求書等の保存」に続き、今日は「帳簿、請求書等の意義」について、まとめてみたいと思います。

一言で「帳簿」、「請求書」と言っても、どのような事項が記載されているかは千差万別です。

また、「請求書」とは銘打っていなくても、網羅されているべき事項が書かれていれば、「請求書等」として、取り扱うことができます。

そのため、どのような事項を記載する必要があるのかについて、それぞれ次の通り規定されています。

 

※下記の参照条文については、分かりやすさを優先し、条文番号の内容への置き換え、一部省略等を行っています。

 

Journal sample

 

帳簿の意義

第30条8項に次の通り規定されています。

 帳簿とは、次に掲げる帳簿をいう。

 課税仕入れ等の税額が課税仕入れに係るものである場合には、次に掲げる事項が記載されているもの
 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
 課税仕入れを行つた年月日
 課税仕入れに係る資産又は役務の内容
 第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額

 課税仕入れ等の税額が第一項に規定する保税地域からの引取りに係る課税貨物に係るものである場合には、次に掲げる事項が記載されているもの

 課税貨物を保税地域から引き取つた年月日(課税貨物につき特例申告書を提出した場合には、保税地域から引き取つた年月日及び特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日)
 課税貨物の内容
 課税貨物の引取りに係る消費税額及び地方消費税額(これらの税額に係る附帯税の額に相当する額を除く。)又はその合計額

 

国内における「課税仕入れ」と、保税地域からの引き取りに係る「課税貨物」に分けて規定されていますが、「仕入先(課税仕入れのみ)」「日付」「内容」「金額(税込)」が記載されていれば、「帳簿」という定義になっています。

 

bill sample

 

請求書等の意義

第30条9項に次の通り規定されています。

 請求書等とは、次に掲げる書類をいう。

 事業者に対し課税資産の譲渡等(「輸出免税等」「輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税」その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。)を行う他の事業者(当該課税資産の譲渡等が卸売市場においてせり売又は入札の方法により行われるものその他の媒介又は取次ぎに係る業務を行う者を介して行われるものである場合には、当該媒介又は取次ぎに係る業務を行う者)が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類で次に掲げる事項(当該課税資産の譲渡等が小売業その他の政令で定める事業に係るものである場合には、イからニまでに掲げる事項)が記載されているもの

 書類の作成者の氏名又は名称
 課税資産の譲渡等を行つた年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行つた課税資産の譲渡等につきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
 課税資産の譲渡等の対価の額(当該課税資産の譲渡等に係る消費税額及び地方消費税額に相当する額がある場合には、当該相当する額を含む。)
 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
 事業者がその行つた課税仕入れにつき作成する仕入明細書、仕入計算書その他これらに類する書類で次に掲げる事項が記載されているもの(当該書類に記載されている事項につき、当該課税仕入れの相手方の確認を受けたものに限る。)
 書類の作成者の氏名又は名称
 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
 課税仕入れを行つた年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行つた課税仕入れにつきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
 課税仕入れに係る資産又は役務の内容
 第一項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額

 課税貨物を保税地域から引き取る事業者が保税地域の所在地を所轄する税関長から交付を受ける当該課税貨物の輸入の許可(「輸出又は輸入の許可」に規定する輸入の許可をいう。)があつたことを証する書類その他の政令で定める書類で次に掲げる事項が記載されているもの

 保税地域の所在地を所轄する税関長
 課税貨物を保税地域から引き取ることができることとなつた年月日(課税貨物につき特例申告書を提出した場合には、保税地域から引き取ることができることとなつた年月日及び特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日)
 課税貨物の内容
 課税貨物に係る消費税の課税標準である金額並びに引取りに係る消費税額及び地方消費税額
 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

 

結構読み取りにくい条文ですよね。

これは消費税の納税義務が、消費税を預かった事業者側にあることによるものです。

そして、一口に「請求書等」といっても、請求書だけではなく、「納品書」や相手の確認を受ければ「仕入明細書」などでも代用できる旨が規定されています。

また、小売業者などについては、イメージ「商店街の八百屋さん」では、いちいち宛名書きして請求書発行なんてしていられないため、「レシート」などでも代用できるように「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の記載事項から省かれ、現実的な規定となっています。

 

なお、「課税貨物」に関する規定のうち、「決定」に関する事項については、「課税貨物の申告、納付、還付等」に関する規定を紹介する際に、説明したいと考えますので、ここでは割愛します。

 

 

まとめ

この辺りの規定は、受験予備校ではおおむね暗記必須の項目から外れている場合が多いと思います。

しかし、あえて条文を転記してまでご紹介したのは、私はこの規定まで網羅することにより「仕入税額控除の理論は完璧!」と思えることが結構重要だと考えるからです。

 

他の規定との関連性が薄いことから、覚えていなくても本試験には十分対応が可能です。

ただ、重要論点について、合格ラインにいる受験生は、皆しっかりと回答を作ってきます。

もし、十分な勉強時間を確保できるのであれば、差別化を図るため、この論点まで押さえ、自分に自信を持てるようにすることは、とても有用だと考えますので、オススメしておきます。