所有マンションについて
税理士試験の話題が続いたので、閑話休題。
私が所有しているマンションの管理員さんが新築時より約10年勤務されたのですが、今月末で退職されることとなり、最期のご挨拶に伺ってきました。
このマンション、私が最後に勤めていた管理会社による管理で、かつ、フロント担当も務めていました。
今日は、分譲マンション購入に至った経緯について、まとめてみたいと思います。
マンション購入のきっかけ
5年前、自宅用に分譲マンションを当時の勤務先の近くに購入しました。
早めの出勤をするタイプのため、通勤自体は苦痛ではなかったのですが、管理業界は仕事が詰まってくると極端に帰れなくなる職種であることから、職住を近づけることについて検討していました。
そして、担当していた分譲マンションのお客様が売却先を探しており、たまたまそのご縁から発展したものです。
分譲マンションのフロント担当をしていて、お客様と仲良くなれるとよくマンションの購入話に花が咲きます。
買ってよかったとのお話もあれば、購入当時とは事情が変わり売却したいと考えているなど、さまざまなお話がでます。
でもそれは、あくまでちょっとした世間話の延長線上にあるものです。
私が仲介の専門業者ではないことはお客様もご存知ですから、本気で売却話を持ち込む方はほぼいません。
ちょっとした情報交換程度の意味合いのものと考えていました。
購入にまで至ったのは、とてもレアなケースだと思います。
当時、私が購入を希望していたのは、別の部屋タイプだったのですが、残念ながらそのタイプのお部屋はまず売りにでることがありません。
お客様とは世間話のように話しつつも、具体化することはほぼないだろうと考えていました。
震災による思いのほかの急展開
しかし、東日本大震災が起こります。
まだ記憶に新しい話題だと思うのですが、当時は放射能問題などにより首都圏や日本からの脱出を考えられる方が大勢おり、売却主の方もそのお考えのお一人だったようです。
世間話程度だった話のはずが、本気のお話に急遽変貌しました。
ただ、早く売却されたいお話だと思われるのに、仲介業者から出てきた広告上の売却価格はとてもそう考えているとは思えないような、新築時販売額を上回る値付けでした。
しかも、私は勤務していた管理会社を辞めようと考えており、希望の部屋タイプでもなく、すぐにお話をまとめたいとは思っていません。
お互いの希望がぴったりとマッチするような状況ではなかったのですが、売却主の方にも切実なお気持ちあったようでしたので、次の2つの要望をだして、それでも売却されたいとのことあれば、話を進めましょうと提案しました。
1)いくら希望価格としての提示だとしても、築6年は経つマンションで新築時価格を超えるのはあり得ないので、直近の成約事例単価ベースにした価格で交渉スタートすること
2)専属専任媒介(契約のある仲介業者からしか買えない契約)ではないことは確認済みだったので、仲介業者を通さない自己発見取引として直接交渉とすること
退職と並行しての契約・引渡し
契約手続きを進めていた頃には、もう退職が確定し、有給休暇消化の状態に入っていました。
相手が売りたいとわかっている中での交渉でしたので、提案を受け入れてもらった段階で、多少のやりとりはあれど、まとまったも同然です。
(下駄を履くまでわからないという側面と、初めての売買契約だったこともあり、当時はいろいろおっかなびっくりで進めていました:笑)
問題は、資格試験を取得する中で、テキスト上の勉強はそれなりにしていましたが、実務上では売買契約をやったことがなかったことです。
過去、マンションデベロッパー(自社開発・自社管理している会社でした)に勤務していた当時の知識を活用しつつ、具体的な手続きについては、デベロッパー勤務当時の販売部署の方に連絡を取り、教えを請いました。
すでに日商簿記2級試験の勉強は開始していましたが、有給消化に入っていましたので、時間も十分取れたことから、交渉も手続きもすんなりとまとまります。
無事引渡しまで問題なく終わりました。
まとめ
このような次第で自分がフロント担当していた分譲マンションを購入することとなりましたが、振り返って思うことは、次の通りです。
1)フロント担当者であったことから管理上の問題は把握していること
お客様からのお問い合わせに応えられるよう新築時分から管理上の資料はほぼ網羅し、長期修繕計画も自ら分析・修正も行っています。
居住者の方の修繕意識も高く、修繕積立金の改定も段階的に行われており、管理への意識の高いマンションでした。
分譲マンションは管理に関する知識なく、購入してしまうと、思わぬ失敗をしてしまうリスクがあります。
このようなリスクを避けるためには、仲介業者からの紹介ではない第三者性のしっかりあるインスペクション(調査)などを受けられた上で、購入の決断をされるべきだと考えています。
2)何が縁で売買となるか本当にわからない
買いたいと思っていた時の状況や、その後、特に買わなくても問題がなくなってから、具体化するなど、正確な将来予測は不可能です。
これは自宅購入だけに限らず投資不動産購入にも言えますが、不動産と名がつくだけあって、非常に取り扱いが難しいため、資金計画だけではなく、非常時に打てる策をいくつか持っておけるように事前検討しておくことは大変重要です。
融資を受けてしまうと、その後に打てる手が非常に限られてしまいます。
不安ばかり煽り、なんでも専門家に相談すれば良いなどというつもりではなく、専門家の無料相談や、詳しい信頼できる知人に多少費用を払ってでも教えを請うなど、最低限でも事前準備を行った上で実行されることをお勧めします。
分譲賃貸として貸すことができる立地として購入しましたので、この後、妻の妊娠・出産で、1年と居住せずに貸し出しすることになってしまいますが、貸すことができるマンションを選んで購入したことは、とても良かったと考えています。